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生活、青い天井について
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朝、目が覚める事は当たり前の事だけど唐突で劇的なんだ。
薄い微睡みの中から這い出てふと気付くとさっきまで持っていた幸せは失われていてる。
きっと、夢の中に大事な物を忘れてきたんだと思う。それが何かは思い出せないけどね。

そんな風に目覚めた僕は隣をみる。
そこには朝の喪失を迎える前の君がいて僕の腕を抱きしめている、そこには確かに幸せがあると僕は感じるんだ。
でもね、僕達は生きていかなきゃいけないから、そんな幸せをそっと離して日曜日のタバコに火をつけるんだよ。
家賃も電気代もしばらく払っていなくて生活なんて物も二人の関係もほとんど破綻しているけど、
それでも、未だ生活ごっこは終われない。
目を瞑ったままおはようと言える勇気を僕は持ってないんだ。

青い天井に書かれた文字を僕達は何度も読み返す。
失った物、失う筈だった物、これから失う物。
ここでは時間が足踏みしている。

僕は朝食の準備を始める。
手を洗って、テーブルの上に散らばったハサミやリモコンなんかを片付けて布巾でざっと拭く、それだけ。
後はしばらく待ってればいつもいつのまにかハンバーガーがある。
僕達はこれを「天の恵み半端ねぇバーガー」略して「ハンバーガー」と呼んでいる、
いつからかは覚えていないけどもうずっと前からハンバーガーは毎朝そこに出てくるんだ。
初めは訝しんでいたけど君が一週間野良猫にハンバーガーを与え続けた結果、
「これで死んだら猫のせい」という結論に到りそれは猫の餌から僕の朝食のスタンダードに代わった。
いつのまにかハンバーガーが現れ僕が回想することしばらく、
さあ、君が目を覚ました。

おはようとごめんねとおやすみを繰り返す日がはじまる。


「とっても怖い夢を見たの。たくさん人がトラックの荷台に乗ってて私をみて笑ってるの、あなたがどこにもいないの。」
「僕はどこにもいかないよいつもここにいる、それに悪い夢は吉夢だよ。」
君は子供がお父さんにする様に僕を抱き寄せてキスをした。
子供のままの君は天使で、
そんな時、同時に僕も天使になれるんだ。
君をこの世界の全てから守りたいと思った。
ーーー本当はそれだけでは、ないーーー
「顔を洗ってきて、朝ご飯にしよう。」
君はよたよたと洗面所に行き、顔を濡らしよたよたと戻ってくる、僕は干してある清潔なタオルをとってあげる。
幾らか19歳に戻った君と並んで座ってテレビの電源を入れ食事を始める。
ぼそぼそとハンバーガーを啄む君を眺める。
「甘いのが飲みたい。」という君にカフェオレをムーミンのカップに入れて渡す。
銀河鉄道の工事が着々と進んで今はカシオペア辺りだとニュースが流れる。
「完成したらM78星雲に行こう、僕の故郷なんだ。」とか言う。
ごちそうさまを言う。
笑ったり
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