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スーパーヒーロー戦記
第73話 東京沈没作戦
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作り出した罠だったのであった。
【隙を見せたな、愚かな奴等め!】
「何!?」
 その声を聞いた時には既に手遅れであった。
 何処からともなく現れた巨大なカプセル。それがバイカンフー、ブルージェット、ウルトラマンレオ、アストラ達をそれぞれ包み込んでしまった。
「ロム、こいつは……」
「迂闊だった。俺とした事が敵の存在に気付けなかったとは……」
 ロムは舌打ちをした。だが、今更敵の奇襲に気付けなかった事を嘆いたとしても手遅れである。
【だ、駄目だ兄さん。このカプセルはかなり堅牢だ。砕けない!】
【こっちも駄目だ。それに、エネルギーがどんどん奪われていく―――】
 カプセル内でレオとアストラが苦しんでいた。
 そして、それはジェットとバイカンフーもまた同じであった。まるでカプセルによりエネルギーを吸い取られて行くかの様に。
【どうかな? この私特性のカプセルの入り心地は?】
「貴様は、ヒッポリト星人!」
 身動きの取れないロム達の前に姿を現したのは赤い体を持つヒッポリト星人であった。
 そして、ロム達は皆ヒッポリト星人の悪辣な罠に掛かってしまったのである。
【フハハハハ、幾ら暴れても無駄だ。諦めて全員ブロンズ像になってしまうが良いわ!】
【ぐっ……こ、このままでは……】
【駄目だ……もう、力が……】
(無念だ……俺も、まだまだ未熟だったか……すまないドリル。地球の戦士達よ……後の事は……頼……む)
 意識が消え去るとほぼ同時に、カプセル内に毒々しい色のガスが充満していく。
 そして、カプセルが消えた後、その中から現れたのは見事にブロンズ像と化した四人の姿があった。
 四人はもう動く事はない。彼等は既に力尽きてしまったのだから。
【これで良い。この調子でヤプール様に逆らう者達を全てブロンズ漬けにしてくれるわ! フハハハハハハ!】
 勝ち誇ったかの様に高笑いを浮かべた後、ヒッポリト星人とブロンズ像はその場から姿を消してしまった。
 心強い仲間を得たが、それと同時に大切な仲間達を失う事となってしまった。
 そして、その毒牙が他のヒーロー達へと向けられる事は火を見るよりも明らかなのであった。




     つづく
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