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東方リリカル戦記
第一話「旅立ち」
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だけ逆様に出した、『八雲紫』が口元を扇子で隠しながら現れた。

「ぶるううああああぁぁぁぁあああああ!!」

 落ちるかと思われた悠だが、両足に限界まで力を込めてスキマの端に固定させて落ちるのを防いだ。

「ふん」
「おのれ、あっきゅうううううううううううん!それにメガネええええええええええええ!!」

 しかし、必死の抵抗も空しく、小鈴と阿求の無慈悲な足を蹴るという行為によってスキマに落とされたのだった。

「すでに、向こうに派遣した人から、詳しい事は色々聞いてねー!!」
「紫ィイイイ!お前らは、絶対に、ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 地獄の底から響くような恐ろしい叫びに、名指しされた人物は若干冷や汗を流すものの、見なかったことにした。

「さてはて、此度の『遊戯』はどうなるのかやら。願わくば……」
「スペルカァードォ!!」

―Spell Card! Stand By!―

 紫が何か呟いた声は、突如響いた雄叫びにかき消される。

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

 轟と唸りを立てながら、深紅の槍が紅い輝きを纏いながら紫に襲い掛かる。

「チィ!スペルカード!」

―Spell Card! Stand By!―

「境符『四重結界』!」

 紫はその槍を結界を張ることで防いだ。

「何のつもりかしら?学園都市理事会の一席にして、クラス『紅魔』のトップさん?」

 紫の視線の先、そこには瞳を妖しく魅入るほど純粋な紅に光らせたレミリアがいた。

「どうしたもこうもないわ!私の出番を盗りやがって!だから、カリスマブレイクやおぜうとか呼ばれちゃうのよ!!学園都市統括理事っていう偉そうな肩書きで踏ん反り返っている、このスキマBBA!!」
「あらあら、事実ですので仕方のないことではなくて?このお子ちゃまお嬢ちゃん?」

 ジリ、と互いが足を擦る音と共に、二人は動き出す。

―Spell Card! Stand By!―

 二人がトレーディングカードほどの大きさのスペルカードを掲げると、そこから電子音が響く。

「悠の正妻は、私よ!!魔符『全世界ナイトメア』」
「悠の正妻の座はわたしませんわ!廃線『ぶらり廃駅下車の旅』」

 色とりどりの弾幕、そして電車が店の中を飛び交う。

「イ―――ヤ―――!!私の店がぁぁああああ!!」

 その日の学園都市の一画で、少女の耳をつんざく叫びが聞こえた瞬間、爆発が起きたそうな。

『○月×日
 ―――学園都市にある貸本屋「鈴奈庵」が突如爆発した。記者が取材すると、店の経営者であるKさんは、「オデノミセハボドボドダア!ウェェェエエエエイ!!」と、錯乱状態であったため取材にはならなかった。
 目撃者は二
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