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東方リリカル戦記
第一話「旅立ち」
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小鈴とユーリも懐から資料らしき書類を取り出した。

「さて、ある程度話は聞いたと思いますが、貴方に異世界に行ってもらいます」
「だが断る!」
「アアン!!」
「ハイ!すみません!話を続けてください!!」

 ネタに走った悠に、阿求が眼力で黙らせる。

「……あのですね、私や慧音殿、あげくは、魔界神、紫天の盟主、etc,etcな方々だって反対はしたんですよ?」
「でも、却下できてないなら意味ないじゃないか、あっきゅん」
「皆、心配してるんですよ。あっきゅん言うな」
「……俺に何させるんだ?皆が心配するなんて相当ヤヴァいだろ、AQN」
「魔法、多次元世界、超古代の遺産、それらを管理する組織。この四つのキーワードがヒントです。AQNじゃねぇ」

 阿求からその単語を聞いた瞬間、悠の目が鋭くなった。

「何?この世界でも滅ぶの?」
「こちらは一切関係無くて、ただ向こうでちょっとした騒ぎが起きるみたいですね。理事会が認定した、という貴方の察した通りの『遊戯』関係です」
「吸血鬼の姫はどう『詠んだ』?」
「『大丈夫だ、問題ない。(キリッ!こっちに比べたら、全然刺激が足りないぐらい』だ、そうです」
「ウチのと比べんなよ。……てか、そのぐらいだったら俺、行かなくても良くね?」
「それは私達もそう言いました。ですが、八雲の賢者は貴方が適任だと」

 悠は『面倒』を顔に書いたような表情になった。

「……やっぱ紅白送れよ。偶にはあいつでいいじゃん」
「今は別件で、外の神社に行ってるみたいです」

「んじゃ黒白」
「魔理沙さんも別件。イギリスへ魅魔さんが送り出しました」

「銀髪メイド」
「イースター島」
「何してんの!?」

「緑フルーツ」
「里帰り」
「一家そろってきたんじゃなかったの!?」

「DQNは?」
「虚弱薄幸少女に何やらせる気じゃ!?あと、DQNじゃねぇ!稗田ナメんな!!」
「……………………」

 目の前の大和撫子を体現した少女の豹変に、無言の間が続く。

「コホン。八雲の賢者は貴方を指名したんですよ。いい加減観念したらどうです?」

 とどめを刺すような阿求の言葉に、悠は深く頭を垂れる。

「わあったよ。行けば良いんだろ行けば」
「宜しいです。ではこれが、貴方の履歴書、身分証明書です。小遣いは、現地で調達とのことです」
「なるべく早く行けと?」

 ユーリが拘束魔法を解き、悠が立ち上がって阿求らから書類を受け取った瞬間、足元に『隙間』が生じた。
 『隙間』楕円のような形で両端にはリボンが結ばれ、中には無数の目玉がこちらを見つめ、標識やら古い道具が浮いているのが見える。

「今から行ってもらいますわ」

 にょきっと、空中にできたスキマから上半身
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