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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル6 かみ の りょういき
最終話 神との対話
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聞き覚えのある男の声がした。
牧石は、周囲を振り返る。
しかし、周囲にはだれもいなかった。

「誰だ?」
牧石は、透明化した超能力者か、遠方からテレパシーを送る超能力者のどちらかと思い、慎重な態度を取る。
『忘れたのか?私は神様だ』
「神様……」
牧石は、召還された日のことを思い出した。

「奨学金が受けられなくなったぞ!」
『え、そんなばかな……。
なるほど、役員の横領か、いやぁ参った、参った』
神様は状況を理解し、困ったような声を出す。

「そんなことより、本題だ。
僕はレベル6に到達して神の領域にたったのだよな」
『そうだ。
だから、神である私の声が聞こえるのだ』
「それだけ?」
『それだけだが、何か問題でも?』
神様は、何がおかしいのかわからないという口調で返事した。

「レベル6ならば、そっちの世界にいけるのではないのか?」
『サイマスターであるレベル∞(インフィニティ)に到達してからだな』
神様は、昔を思い出すような口調で答える。

「インフィニティだと?
それって無限という意味じゃないのか!」
牧石が大きな声をあげる。
『それがどうした?』
「無限ということは、一生届かないではないか!」
牧石は思わず叫んでいた。

『ああ、安心しろ。
レベル10の次がレベル∞だから』
神様は、牧石を落ち着かせるため、ゆっくりと答える。
「そうなのか?」
『ああ、マインドシーカーの世界だから間違いない』
神様の言葉から牧石の知らない単語が出てきた。

「マインドシーカー?
それって、何ですか?」
牧石は神様に質問する。

『いや、ファミコンソフトのタイトルだけど?
召還された時は知っているような顔をしていたが?』
神様は、どうして知らないのかと質問する。
「とある魔術の禁書目録の世界ではないのか?」
牧石は、自分の考えを神様につたえる。

『私はそんなことは言ってないぞ』
神様は、しばらく考えてから話を続ける。
『「とある世界」に送ると言ったはずだが、「とある魔術の禁書目録」の世界に送るとはいってないぞ』
「なんだと……」
牧石はようやく自分が勘違いしたことを理解した。

『まあ、がんばれ。
ここまで順調に育ったのなら、ここに再び現れる日も、遠くないだろう』
「そうだな」
牧石は、神様との交信を切ると、墓を後にした。


牧石は、引き続きサイキックシティで超能力の訓練を続けることにした。

いつか、サイマスターになる日を夢見て。

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