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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル6 かみ の りょういき
最終話 神との対話
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その力で天使達を倒す。
だから、君は逃げてくれ」
「なにを言っている。
僕たちは一緒に撃退すると言ったはずだ!」
「残念だな。
僕は最後においしいところを一人で平らげるのが好きなのでね。
君と分かちあうつもりはない」
もう一人の牧石は、牧石を突き飛ばすと折れた翼をちぎれるまで酷使して天使達の中心に到着する。

「やめろ!」
牧石の叫びも空しく、もう一人の牧石は爆発した。

「……」
粉塵で視界がぼやけ、透視能力で解析すると牧石は絶望した。


「……、そんな」
天使のうち3体は立ち上がったのだ。
今の牧石では、一対一でも勝てるかどうかわからない相手、一対三なら速攻で逃げ出すべき水準である。
だが、牧石は天使達に相手をすることを決意した。

「牧石よ。
あの世で決着をつけるか」
牧石は右側にいた天使の一撃で倒れた。



牧石は気がつくと、病院で寝ていた。
「なぜ、俺はここにいる?」
牧石は自分が生きていることが理解できなかった。

「気がついたかね、少年」
牧石に声をかけたのは、熊のぬいぐるみのような顔をした医者だった。
どこかでみたことがあると思ったら、牧石がこの世界にきたときに初めて顔をみた医者だった。
話を聞いてみると、負傷者に対応するため、超能力開発センターからかり出されたらしい。

「君は危ないところだったよ」
医者は簡単に状況を教えてくれた。

首謀者である天野が死亡したことで、計画が中断し、天使達も動かなくなったらしい。
その原因を作った男が、牧石の隣で寝ていた。
目黒である。

目黒は、急に天使達が現れたことから、目黒が愛用するサイキックシティ最速の自転車で逃げ回っていた。
最高時速160kmとも言われる、謎な最先端技術満載の機能で逃走したのだが、とある駐車場で囲まれてしまった。

目黒は、近くに止めてあった車の陰に隠れて攻撃を回避したところ、車が爆破するとともに、天使の動きが止まったということだった。
警察による現場検証の結果、首謀者である天野が制御していた車両であり、天野が危険を感じて自動制御を手動に切り替えたが、最後の攻撃を受けてしまったらしい。
「周囲に被害が及んでもかまわない」
という条件を、自分を例外にしなかったのが理由と考えられている。

「……」
牧石は、なんともいえない表情を浮かべた。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



牧石は、墓の前でサイカードを取り出した
L:06
PSI:000000
と、記載されていた。

「レベル6になったのに」
牧石はつぶやく。
「神の領域にたどりついたのに、僕はなにもできないのだな」
『そんなことはない』
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