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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第5話 超能力者が魔法世界に召喚されたようです
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レイピアを手にしたまま、佇んでいた。
「なに、負け惜しみを言っている?」
男は、大槌を持ち上げようとして、周囲の状況の変化に気づく。
砕け散った川が再び凍り付いた上に、男の周囲に濃霧が立ちこめ始めた。

「何だこれは?」
「貴様は、何も考えずに、エーリヴァーガルを砕いてしまった。
せっかく氷に覆われた毒を自ら粉砕するとはかわいそうに……」

「ワシには、大旋風がある!
毒の霧など吹き飛ばしてやるわ!」
男は、大槌を持ち上げ振り回そうとした。
「な、なんだと……」
男がどんなに力を込めても、大槌は少しも動かなかった。

「もうすでに、貴様の身体に毒が回ったようですね。
それでは、ごきげんよう」
濃い霧により、男には輪郭しか見えないフェゾだったが、それも見えなくなってゆく。

「逃げるのか……」
男の声も、小さくなってゆく。
「ここで死ぬのか、ワシは……」
大槌を杖代わりにして、なんとか身体を支えていた男だったが、やがて力尽き倒れてしまった。



STAGE 3 VS 剣士(ソードマスター)



朽ち果てた古城は、かつての繁栄を偲ばせるものだったが、今を戦う二人の前ではただの背景に過ぎなかった。

「君が、氷の奇行師かい。
スタンを倒したと聞いたけど、あたしたち三騎士の中では最弱よ。
スタンを倒した程度で思い上がらないで」
細身の女性が、両脇から二つの剣を取り出すと、慎重に身構える。

「確かに貴女の方が強そうだ。
貴女なら、私の相手になるかもしれない」
フェゾは左手に持っていたレイピアを、城の石垣の隙間に差し込んだ。

「君の噂は知っている。
あたしを他の女と同じように思わないことね!」
細身の女性は、素早くフェゾに近づいた。
フェゾは、細身の女性の動きを素早く認識していたが、二本の剣の動きから逃れることができないでいた。

「あたしの攻撃の前では、君の得意な魔法も使えないようね」
細身の女性は、俊敏な動きでフェゾに触れさせないように動きまわると、フェゾのあちこちに剣先を当てていく。
フェゾは急所をはずしていくが、たちまちローブが血の色で染まってゆく。

「そこよ!」
細身の女性は、動きが鈍くなったフェゾにとどめの一撃を浴びせようとする。
「!」
フェゾは、その一瞬の動きを見切ると、細身の女性の懐に飛び込む。
「させるか!」
細身の女性は、左手の小剣をフェゾの腹刺そうとするが、金属音と共にはじかれる。
「小手か!」
「ご名答。
普通の攻撃だと、はじけないが。
威力が出せないこの状態だと、頼りになるのだよ。
お嬢さん」
フェゾは、反論しようとする細身の女性を封じ込めた。



「彼女でも、ないのか……」
フェゾは、突き立てていた
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