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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第5話 超能力者が魔法世界に召喚されたようです
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……、これで呪いから解放される」
「!」
女性は、まぶしさと驚きで、身体を後ろに下げながら、フェゾがいた場所へと視線を動かす。

フェゾだった存在は、形を歪めながら、本来のフェゾの姿へと戻っていった。
「……そうか、君はあの時の雪だるまなのだね?」
女性は、もとの姿に戻ったフェゾを見て懐かしむ表情をした。
「……、ボクも思い出したよ。
お姉さん」

「フェゾ君は、・・・・・・。
……そうか、キミだったのか」
「お姉さん……」
「フェゾ君。
私はもう、お姉さんとは呼ばれない年になってしまったよ」
「それでも、ボクにとってはお姉さんです」
降りしきる粉雪の下で二人は強く抱き合っていた。



世界がセピア色に変化し、スタッフロールが流れ始める。
先ほどまで、フェゾと戦っていた中年の女性研究者は、いつの間にか一人の少女に戻っていた。

少女は、かじかんだ手をもむようにして暖めると、雪だるまを作る作業を再開した。

少女が作り上げた、雪だるまはいびつでところどころに、黒い土が混ざっているが、少女はできあがった喜びで満足そうにしていた。

少女は、雪だるまの頬に口づけすると、少女を迎えにきた母親の姿を確認し、母親の元に駆け寄っていった。

買い物をしたのか、荷物を抱えている母親から、小さな買い物袋を右手で奪い取り、左手で母親の右手をつかんだ。

少女は、母親の暖かい右手に満足したのか、大きく手を振りながら、母親と一緒に帰っていった。

残された雪だるまを視界の中央に残したまま視点が後ろ上空に下がっていく……。



「GAME OVER」
の文字を確認すると、牧石はヘルメットを脱いで立ち上がった。

「お疲れさま」
牧石は呼びかけられた、ミナコの言葉を無視して、洗面所に駆け込んだ。
牧石が向かった目的は、顔を洗うためだった。
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