暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第3話 サイランド
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その輝くものが細長い銀の槍であると、フェゾが知ったのは、自らの背中に槍が突き刺さってからであった。

「……」
フェゾは、致命的な一撃により、体を支えることができなくなり、地面にうつ伏せに倒れる。


「言い残す言葉はありますか?」
「大地とではなく、貴女と口づけを交わしたかった……」
フェゾは動かなくなった。



一台のモニターに、
「レーシャ WIN!!」
という文字と、片膝を付き、手を額にあてながら、神に祈りを捧げる白い法衣を身に纏った少女の姿が映し出される。

その後に表示される、
「GAME OVER」
の表示にあわせて、牧石は意識を取り戻す。


意識を取り戻した牧石は、装着したフルフェイスヘルメットに似た形状の装置を取り外す。

サイキックシティの先端技術により、脳波に直接データを送り込むことで仮想現実を提供する装置、通称「ヘルメット」を取り外すことで、現実世界へと意識が戻される。
牧石は、座っていたシートから立ち上がり、個室のトイレより大きい装置の外に出ると、周囲を見渡す。

「お疲れさま。
どうでしたか?」
赤いショートヘアの女の子が、牧石に近づいて話しかけてきた。
胸元に「インストラクター ミナコ」とかかれた名札を身につけた女性は、初めて入店した牧石に親切丁寧に説明してくれていた。

「ちょっと難しいよ、これ」
牧石が少し不満そうに言うと、
「フェゾ様は難易度が高いキャラクターだから、操作は難しいよ。
最初に遊ぶなら、主人公の黒霧零司(くろむ れいじ)がいいと思うよ?」
ミナコは、牧石に解説してくれた。

牧石はミナコの解説を聞きながら、この店に入店した理由を思い出していた。



牧石は、研究所での訓練ができなくなったことにより、どうやってサイレベルを上昇させるべきか悩んでいた。

従来であれば、自室のコンピューターでの訓練も可能ではあったが、磯嶋の手によるのか、自室のコンピューターの機能が制限され、現在では瞑想等の基本的なトレーニングしか使用できなかった。

それならばと、目黒に相談したところ、サイランドと呼ばれる店を教えてくれた。

牧石は、目黒が送ってきたメールの内容を頼りに、店を訪れた。
「ゲーセンか?」
牧石はアミューズメントパークと呼んでも違和感のない小ぎれいな商業施設に対して、親しみをこめながらつぶやくと、サイパークと記載された看板の下にある扉を通過する。


「いらっしゃいませ、サイランドにようこそ!」
牧石が、サイランドの中央にある受付に行くと、赤いショートヘアの髪型の店員が元気な声で話しかけてきた。
「牧石だが、この施設について教えて欲しい

牧石は、身分証明書に自分のサイレベルとサイポイントを表
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