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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
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シュウシュウと空気の抜けるような笑い声のような声を上げた。

「知りたいなら、自分で、思い出す事だ。最も、お前も、思い出せるかは、疑問だが……」
「あぁ。なんだザザか」
「!?」
言った瞬間、驚いたように死銃が息を詰める。リョウはそれを見た瞬間、確信の笑みをニヤリと浮かべた。右手でパチンっと音を立てて、面白がるように言う。

「ビンゴ〜。やれやれ、其処はポーカーフェイスじゃなきゃ駄目だろ?ザザ君よ」
「…………!」
屈辱を感じているのか、マスク越しにも分かるほどに威圧感の増した赤い瞳をチカチカと点滅させている死銃にリョウはのんびりと言った。

「生憎と、俺はキリトと違って物覚えが良いんでな。ラフコフメンバー、それも幹部でその聞きづらい喋り方となりゃ、覚えてねぇわけねぇと思わなかったのかい?」
「既に、其処まで、予想して、居たか……成程、なら、言い当てたのも、頷ける……」
「負け惜しみかよ?」
リョウのからかうような言葉に、死銃は再びシュウシュウと笑う。

「ク、ク、思い出せても、何かが、変わる、事は、無い、所詮、お前には、何も、出来はしない」
「…………」
「その証拠に、のこのこと、俺の、前に、出て来た。今のお前は、昔のお前よりも、やはり、鈍っている」
「えっ?」
アイリが声を上げた、その瞬間だった。

「うおっ!?」
バギャァッ!と金属の重々しい音を立てて、リョウの手の中でXM29が砕け散った。

「リョウ!?キャアッ!?」
「!?……マジか……」
声を上げたアイリの手の中でM8が砕ける。一瞬で武装解除されたリョウとアイリに、P90を構えたままのザザがシュウシュウと笑った。

「俺は、一度も、俺が一人だとは、言っては、居ない。俺には、あの人が、共に、居る……!」
「っ……!」
今度はリョウが表情を崩した。少しだけ目を見開き、しかし、即座に二ヤリと笑う。

「何だよ……アイツ来てんのかよ」
「ク、ク、ク、だが、お前が、あの人に、会う事は、無い」
「あぁ?」
聞き返したリョウに、ザザは両手を大きく広げて言った。

「ジン……鈍った、お前など、俺でも、やれると、言う事だ」
「ほっほう。随分な自信だな、ザザ君」
押し殺すように笑いながら、ザザは余裕そうに言う。

「お前には、今はもう、槍は、無い。何より、お前は、現実世界の、腐った空気を、吸い過ぎた」
「だからお前らに負けるって?オイオイ、冗談でも止せよそんな話。負けた時みじめになるだけだぜ?大体お前なんざ俺に勝った事一度もねぇじゃねぇか」
あくまで余裕そうなリョウに、ザザは静かに続ける。

「今の俺は、昔の俺とは、全く、違う。元々、お前も、《黒の剣士》も、本物の、殺人者(レッド)じゃない。唯、自分が、生き残るために、殺した
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