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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
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ってないなら言わないけどね」
「…………!」
笑顔で放たれたアイリの皮肉に怒ったのか、ザザの両眼がチカチカと明滅する。向き合ったまま、アイリは言った。

「リョウ、行って……リョウが向こうの人と戦っても負けないって信じてる。だから、私は全力で此奴だけに集中できる。そうすれば負けない……リョウが言った事だよ?」
「む……そりゃ、そうだけどよ……」
まだ迷ったような顔をしたリョウに、ニコリと微笑んでアイリは言った。

「大丈夫だよ私、負けない……私が信じるんだもん、私の事も信じて?相棒……でしょ?」
「お前……」
少し自嘲するようなその笑顔は、きっと内心ではまた自分勝手だとかそんな風に自分を責めているのかも知れない。
本当は、互いに相手に対してまだ蟠りは残っている。しかしそれでも今は……せめて、今は……

「わあったよ。お前を信じる」
「リョウ……!」
「そうしなきゃしょうがねぇしな……けど気いつけろよ?そいつ、見かけはそれでもそれなりには強いぜ?」
ザザを顎で示して言うリョウに、相変わらずザザと向き合ったままのアイリは、少し不敵な笑みを浮かべて、短く言った。

「“私もだよ”」

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