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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第43話 そして、どっちへ・・・
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ことを話していた。
踊り子にあこがれて、旅芸人の一団に入ったこと。
成長していくにつれて、身長が伸びすぎて、踊ることが出来なくなったこと。
団長の薦めで経理を行ったところ素質があったらしく、今の仕事をしていること。
エリカは俺がキチンと話を聞くことに安心したのか、レナさんの事も話し始めた。

アッサラームで公演を開始した頃、レナさんにしつこくつきまとっていた男がいたこと。
アッサラームを離れて、バハラタに向かうことを喜んでいたこと。
一団が洞窟に向かったときには、既に洞窟がふさがって、先に進むことが出来なくなっていたこと。
しかし、レナさんは落ち込んだ様子を見せなかったこと。
その後、すぐにレナさんが消息を絶ったことを教えてくれた。

「貴様、エリカから離れろ!」
「?」
「リック」
俺はリックと呼ばれた男を眺める。
なかなかの好青年だ。
冒険者のようで、職業は戦士だろう。

「今更、何のつもり。レナを探して旅に出たのでしょう!」
「違うのだ、エリカ!」
「何が違うのリック」
「・・・、ここでは話せない」
エリカさんの声とリックの声で、周囲の人の視線が集まっている。

俺は仕方なく提案する。
「とりあえず、あそこで話をしましょう」
俺は、軽食を提供する店を指さした。

俺は、店にはいると店主に多めにチップを払い、お願い事をして奥の個室を確保する。
「どうぞ、リックさん。話をしてください」
「・・・」
「俺は、ここで聞いた話を誰にも話しません。前のロマリア王の名にかけて、お約束します」
俺は、ロマリア王国の紋章を目の前に見せた。
使う機会はあるまいと思っていたが、人生何があるかわからない。
とはいえ、権威しかない。
どこかのご隠居さんとは違うのだ。
「アーベルさん」
「魔王を倒した、あの」
エリカさんとリックは驚いていた。

「話をしてもらっても、いいですか?」
「わかった」
リックさんの話によると、リックはレナさんの脱出を手助けしたそうだ。
しかし、行き先を知られるとまずいので、誰にも話が出来なかったらしい。
「なるほどね」
俺は頷いた。

この町から洞窟までは、近いとはいえモンスターが出現する可能性がある。
レナさんは、さすがに1人では逃げ出せないと考えて、知り合いであるリックに頼んだらしい。
彼ならば、付き合っている相手がいることから安心できると思ったのだろう。
「本当なの?」
エリカさんが確認する。

「これを読んでくれ」
リックはエリカさんに手紙を手渡す。
レナさんがエリカさんにあてた手紙だった。


エリカさんは手紙を読み進めていくうちに、困惑の表情をする。
読み終わったエリカさんは涙を浮かべながら、リックに話しかける。
「疑っ
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