暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第38話 そして、ダーマへ・・・
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
出すような声で話を続けた。
「俺は、死ぬことはあまり怖いとは思っていなかった。
だが、1回の戦闘でここまで死ぬと、精神が持たなくなった」
「・・・」
俺達は、彼女たちがタンタルを仲間に入れた理由をようやく理解した。
タンタルは自嘲していた。
「その後は、彼女たちのいいなりさ」

「レベルが20まで上がるたびに、ここにつれてこられて転職させられた」
最初は、魔法使いその次は僧侶そして、遊び人にもなったという。
ダーマ神殿で、冒険者の養成所に通った経験が裏目に出たと嘆いていた。
「遊び人から賢者に転職させられるとおもったが、何故か武闘家に転職させられた。
その後、彼女たちに俺のMPが無くなるまで呪文を使わされた」
嫌な予感はしていた。だが、なにも出来なかったとタンタルはいう。
「そして、再びラリホーで眠らされたあと、この場所にひとり残されたのだ」

「俺は装備もないまま、無一文で放り出された。
ここでは誰も相手にされず、ロマリアまで帰る手段のない俺は、最後の望みであなた達にお願いしたのだ」
どうやら、ダーマでは昔、この手の寸借詐欺がはやっていたらしく、誰も相談に乗ってくれなかったそうだ。
「だから、頼む。俺を仲間に加えてくれ」
タンタルは土下座して頼み込んだ。

「俺達を信用するのですか?」
「ただ飯をおごってくれただけでも、信頼に値する。
俺の先祖から伝わる格言には、食事の恩は絶対に忘れるなというものがある」
タンタルは伏したまま話を続ける。
「それに、そこにいる、僧侶とは話をしたことがある」
「えっ、そうなの?」
「セレン。覚えている?」
「いいえ」

「忘れたのも無理はない。
そのときは戦士だったし、あまり良い印象も持たれなかった」
「もしかして、酒場にいた人?」
「あのときはすまなかった」
タンタルは頭を下げたままだ。
「頼む。パーティを組むのが嫌なら、キメラの翼を貸してもらうだけでいい。
ロマリアに戻ったら、必ず返すから」

「どうする、アーベル?」
テルルは俺に意見を求めた。
正直どうしたらいいのかわからない様子だ。
それは俺も同じだが。
「まずは、ステータスシートを見せてくれませんか」
タンタルは、俺達にステータスシートを見せつけた。
「ステータスを確認する限り、話に嘘はないようだな」
ちなみに、性格はくろうにんだった。
性別が男であることは、テルルとセレンが真っ先に確認していた。

「どうするの、アーベル?」
テルルは再び、俺に意見を求めた。
「まあ、セレンの意見を最初に聞くべきだろうね」
俺はセレンに話かける。
「どう思う、セレン。一緒に冒険しても問題ないか」
「・・・。アーベルが問題ないというのなら」
「そうか。テルルはどう思う?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ