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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第38話 そして、ダーマへ・・・
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「戦力の強化?」
「これまでは、レベルを上げたり、武器を強化したりした。それでも、物理攻撃力が低下するのなら、新しい仲間を加えればいい」
「そうね」
テルルはうなずいた。

「ダーマ神殿に来ることができる冒険者たちだ。即戦力になるだろう」
性格については、今回はあまり考慮しないことにする。
しばらくすれば、勇者を仲間に加えるからだ。
勇者がもうすぐ16歳になる。
短期間であれば、多少の性格の悪さは目をつむるつもりだ。

「わかったわ。でも約束して」
「何を約束すればいいのかな?」
「新しく仲間を決めるときは、3人が納得すること」
「当然のことだね」
「それと、性別は最初に確認すること」
「・・・。わかった」
俺は何故か冷や汗をかきながら頷いた。

ちなみに、勇者の性別は男だと母ソフィアから聞いている。
勇者についての情報はほとんど秘匿されているが、勇者の家庭などから性別の情報くらいは出回ってしまう。
この程度は仕方ないことだろう。
勇者がパーティに加入する際に、もめることはないだろう。
というか、もめたら俺達が一緒に冒険できなくなってしまう。
一度そのことを、テルルとソフィアに話さなければならないだろう。


「中も広いね」
「そうだね」
俺とセレンは、ダーマ神殿の中にいた。

テルルは、さっそく周囲の人たちに聞き込みを始めていた。
ちなみに俺は、今のところ転職をする予定はない。
少なくても、魔法使いの呪文を全て覚えられるようになるまでは転職をする気にはならない。
転職するとすれば、遊び人を経験してから賢者を目指すか、僧侶を経験してから盗賊を目指すつもりだ。

普通に呪文を極めるのであれば前者を選びたいし、力の種等のドーピングアイテムを収集して戦力を強化するのであれば、後者を選びたい。
理想を言えば、成長の早い魔法使いを続けて、新しい呪文の開発に励みたいところではあった。
ただし、大魔王を相手にする場合、HPの少なさは致命的な弱点となる。
まあ、弱点を補う方法はいくつか考えてはいるのだが。

「やっぱり、アーベルはすごいです」
「たいしたことではないのだが」
俺の将来の計画を話すと、セレンは賞賛してくれた。
いつものことだが、それでも誉められると、うれしいものである。

「あの魔法使い、にやけちゃって」
「かわいい彼女と一緒か。うらやましいかぎりだ」
「腕をくんだりして、神殿を何だとおもっているのか。けしからん」
耳に入ってくるひそひそ話を聞く限り、いろいろ、周囲に誤解を与えてしまったようだ。

どうしようかと考えていると、後ろから声をかけられた。
「すいません。どうか助けてください」
振り向くと、目の前には疲れた表情の武闘家がいた。




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