暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode7 スランプと限界点2
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最も得意とする…いや、こなしていくべきクエストである。そして『攻略組』、或いは中層ゾーンのプレイヤーに求められるクエスト情報は、まさにこういったものだからだ。報酬も、いいものが貰えるだろう。

 未亡人からクエストアイテムを貰い、そのまま外へと出て、主街区へと歩き出す。ここは圏外村、転移門も存在しない。転移結晶を使うのでなければ、一旦主街区へと戻る必要がある。そしてエギルの雑貨屋での取引からも分かる様に、俺に無駄に転移結晶を使うほどの懐の余裕はない。

 と。

 (ああ、なるほど…)

 村の外に出る時に、俺はなぜエギルが紹介したがらなかったかの理由を知った。ちらりとクエスト進行中ログを見たからだ。そのクエスト名は…『死者への贈り物』。なるほど、笑ってしまう。これはまた、俺におあつらえ向きというか、あてつけというか。

 (……まあ、いい)

 俺は苦笑を消し、敏捷値を引き上げる。

 最近の不調の原因でもあるこの動作に少々不安は残るが、それでも俺はこのクエストに対して乗り気だった。それは、最近鈍りつつある、しかし今は確信を持って言える、俺の勘だ。

 一気に引き上げた敏捷値で、主街区までの数キロを走り始める。Mobのポッを無視するなら、十分弱もあれば到着できるだろう。走る俺の脚は、いつも通りの快速を生み出して地面から土ぼこりを巻き上げた。



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