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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
新たなる敵
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り、『斬る』という行為に悦びを感じているようである(ドニが襲来したときは、騒ぎが余計に大きくなるので鈴蘭と貴瀬に止められていた)。

 この言葉に、鈴蘭とアリスは固まった。

 鈴蘭は、自分は何も感じていないのに、何故沙穂は感じ取れるのかを考えて俯き、アリスは、もう直ぐこの場所が戦場になる可能性がある事を自覚して動きが止まる。

 アリスは、世界でも最高位の魔女である。・・・しかし、神や神獣と対峙して無事でいられる保障は何処にもない。鈴蘭たちが居るが、ここは逃げる場所がない豪華客船。鈴蘭たちの戦闘の巻き添えを喰らうだけでも、彼女のその体はバラバラに引き裂かれるかもしれない。

 ・・・しかし、

(何かドキドキしてきました!コレですよ!やっぱり鈴蘭ちゃんといると退屈しないです!!)

 退屈を何よりも嫌う女性である。不安は感じているが、それ以上に、これから始まる戦いを予想して体が熱くなる。これから始まるのは、神代の時代の再現。英雄と英雄、神と悪魔がぶつかり合う神々の大戦(ラグナロク)なのだ。

 しかし、多少の不安を感じていてもこの状況を楽しめるのは、彼女の肝が座っているからなのか、それとも鈴蘭たちを信じているからなのか・・・?

 鈴蘭は懐から小さな機械を取り出した。手のひらに収まる程度の大きさの、黒い箱型の機械である。それには、たった一つの真っ赤なボタンが着いているだけ。

「鈴蘭ちゃん?・・・それ、なんですか?・・・・・・もしかして自爆装置?」

 アリスは、退屈を嫌うが故に、幽体離脱などという荒業を利用して外の世界を眺めてきた。が、何時もそんな無茶が出来た訳ではない。いくら彼女の力が他者と隔絶していると言っても、限界はあるのだから。彼女の健康を心配するミス・エリクソンなどによって幽体離脱を禁止された期間もかなりあり、その間の彼女の暇つぶしの手段は、日本のサブカルチャーであった。

 アニメや漫画、ライトノベル。推理ものから、戦闘、恋愛ものまで、彼女が見たサブカルは多岐に及ぶ。既に立派なオタクと言えるかもしれない彼女だが、その中で、典型的な『悪の組織』が最終的にどういう事をするか、という知識も当然持っていた。

 自爆である。

 自分の魔術結社である【伊織魔殺商会】を『悪の組織』と称している鈴蘭。先程鈴蘭と話していた時も『悪の組織』の話になったのだが、彼女は『自爆はロマン』と豪語していたのだ。当然、この船にも自爆装置を仕掛けてある・・・とまで言い出した。

 「え・・・。」と絶句するアリスに、「冗談だよ。」と笑っていた鈴蘭だったが、果たしてそれは本当に冗談だったのだろうか?だって、今彼女が持っている小さな機械は、どう見ても漫画などの『自爆装置』にしか見えない。

 アリスの中の中の不安が大
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