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IS《インフィニット・ストラトス》〜星を見ぬ者〜
第十四話『決断』
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「!?」

「今この現場を離れたら、あなたの身の上がどうなるかはわかりません……ですが、あなたはそれでも行く心算なのでしょう?」

「……ああ」

「でしたら指揮はこのクラリッサが請け負います。安心して、ご家族の下へ行ってください」

「……すまない、クラリッサ! 義父さん、俺は今から向かう。ここからならそこまで遠くないはずだ。切るぞ!」

『ああ!』


通話を終え、スウェンはクラリッサにインカムを渡し


「後は頼む」

「はい!」


スウェンは頷き、全速力で本部を走り抜けていく。残されたクラリッサはインカムを起動し


「これより指揮はクラリッサ・ハルフォーフが急遽受け持つ。全体は私の指揮の元で行動しろ!」





/※/





「はぁ…! はぁ…!」


スウェンは止まることなくローエンス病院たどり着き、受付に向かう。


「リズ・グレーデュントが緊急搬送された病院はここだな!」

「え、えっと……少々お待ちを……はい、今は緊急手術を受けているところです」

「場所は!」

「そ、そこを右に曲がったところです」

「感謝する!」


再び走るスウェン。手術中と表示された部屋の前に、ネレイスが座っていた。


「スウェン!」


スウェンに気づき、椅子から立ち上がりスウェンの前へ駆け寄るネレイス。


「リズが……リズが……急に家で倒れて……意識が戻らなかったのぉ……!」

「落ち着け、義母さん」

「ネレイス! スウェン!」


次いでロイも走ってやってきた。研究室に居たまま来たのだろう、服装がそのままであった。


「ネレイス、今のリズの容態は!?」

「あ、危ない状態だって……もしかしたら……うぅ……」

「大丈夫だ、義母さん。必ず……必ずリズは助かる。信じるんだ」

「スウェンの言うとおりだ。今の僕達はリズの無事を祈るしかない」

「……ええ」


ネレイスは徐々にだが落ち着きを取り戻し、椅子に腰を掛ける。スウェンは壁に背を預け、ロイは時計を何度も見ながら、手術中と灯された表示を見つめていた。





そして五時間後……




手術中の表示の明りが消え、手術室から医師がマスクを外しながら出てくる。ロイは医師の前へ行き


「リズは! リズはどうなったんですか!」

「あと一歩遅かったら大事になっていましたが……一命を取り留めました。もう大丈夫ですよ、お父さん」


その言葉に、ロイとネレイスは表情を一変し、喜びに包まれた。


「ありがとうございます! 本当にありがとうございます!」

「よかった……」

「……」

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