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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
EpilogueZ-B星々煌めく夜天にてお別れをしよう〜Wiedersehen, BELKA〜
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†††Sideオーディン†††

ついに私たちグラオベン・オルデンのメンバーだけとなった中央広場。数十分前までの喧騒が嘘のように静まり返っている。心地よかった夢が終わったかのように思えてつい「・・・終わった・・・」と漏らしてしまう。私の一番近くに居たシグナムがその独り事に反応し、「はい。終わりましたね」と寂しげに微笑んだ。

「それにしても楽しかったですね〜、バーベキュー♪」

「ああ。まぁ、ヴィータは調子に乗って酒を飲んだせいで・・・」

私とシグナムとシャマルとシュリエルは一斉にヴィータの方へ目を向ける。ヴィータはアルコール度数のキツいテキーラに手を出し、盛大に吐いた。何故そうなったのかと言うと、ヴィータは大人ぶって葡萄酒を飲もうとした。が、それを止める大人たち。
子供は子供用の果実飲料ね、と子ども扱いされたヴィータは反発して・・・テキーラをコップに並々注いで一気飲みし、間を置かず吐いたというわけだ。で、今は石像(私たちグラオベン・オルデンの)の土台に座り込んで、「大丈夫?」アギトとアイリに背中を撫でてもらっている。

「火の始末もしたし、ゴミも片づけたし。よし、それじゃあ帰ろうか」

片づけも一段落して、みんなを引き連れて屋敷へと歩を進める。私は眠ってしまったヴィータを背負い、狼形態のザフィーラの背にも深い眠りに落ちているアギトとアイリが乗っている。月明かりの下、これで最後になる家族の散歩だ。

「・・・・聴いてくれ」

だから話そう。みんなにとってもこれが最後になるのだから。私は足を止め、遅れて同じように足を止めて私へと向き直ったシグナム達を見据える。

「昨夜、エグリゴリから宣戦布告を受けた。日を跨いでの午前3時・・・あと5時間ちょっとだな。場所はクテシフォン砂漠。そこで、私は戦争を行う」

「「「「「っ!!」」」」」

私の背で眠っているはずだったヴィータも含めて全員が息を呑んだ。“エグリゴリ”からの宣戦布告。それだけで察してくれたようだ。もうベルカから去る時が来たんだと。この宴会の理由が、別れの前のアムルへの恩返しのためだったのだと。

「そうですか。・・・・我ら守護騎士ヴォルケンリッターは、あなたの剣で盾です」

「ええ。オーディンさん。私たちも共に戦います。この身命を賭して」

「相手がどれだけ強大であろうと、必ずや」

「うっぷ。そうだぜ、オーディン。あたしらが揃えば最強だ。げぷ」

心強いよ、本当に。相手が“エグリゴリ”でなければどれだけ私の支えになってくれるか。だが相手が悪い。だから「ありがとう。だが、私1人で戦いに行く。君たちは来なくていい」そう突っ撥ねる。

「何故ですっ!? 」

「納得のいく説明をしてください!」

声を張り上げたのはシャマルとシュリ
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