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星河の覇皇
第四部第四章 楯砕きその四
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「はい」
「とどのつまりは」
「やれやれ」
 八条はここで今日何度目かの苦笑をした。
「まあ文化とはそうしたものかも知れませんね。自分のものが一番だと思う。しかし他国の文化も意識する」
「食べ物なんかは特にそうですね」
 ここで劉が言った。流石に中国人だけはある。料理には五月蝿いようだ。
「私は上海料理が好きですが広東料理も食べます。そして刺身やハンバーガーも好きです」
「この前トムヤンクンを美味しそうに食べてましたな」
 ここでマクレーンが言った。
「マクレーン大将もホットドッグと四川料理を同時に食べていたことがありましたな。サラサもお好きなようで」
「そうですな。タコスも好きですぞ」
 マクレーンはあっさりとそれに対し切り返した。
 連合ではこうした食べ物の混雑もよくある。確かに自国の料理を最もよく食べるのだが他の国の料理も互いによく食べる。しかしエスニック料理として区別はされている。人によっては全然食べない。
「私もハンバーガーやラーメンは好きですが」
 八条はここで話に入ろうとした。だが二人はここで彼に対し共同戦線を張った。
「お言葉ですが長官の食べられているものは本物のラーメンではありません」
 劉がそう言うとマクレーンが続いた。
「ハンバーガーもあれでは本当のハンバーガーと言えません」
「そうなのですか!?」
 八条はその言葉にキョトンとした。
「日本人はどうも他の国の料理を自分の国の感じにアレンジしてしてしまいます。それでは本当にその料理を食べたとは言えません」
「私はそうは思いませんが」
 八条は劉に反論した。これも昔から日本人が言われていることである。
「日本の料理は味が薄い。しかも繊細さにこだわるあまりその料理を極端に変えてしまうことがままあります」
「それは貴国の料理の味付けが全体的に濃いせいではないですか?」
 今度はマクレーンに反論した。
「違いますな。日本人はその舌にこだわるあまり味を変えすぎなのです」
「それが悪いとは言いませんがそれで本当のラーメンやハンバーガーを食べているとは言いがたいですね」
 八条はどうも納得がいかなかった。そしてこう言った。
「では日本人は和食のハンバーガーやラーメンを食べている、と。お二人はそう言いたいのですね」
「ええ」
 二人はそれに対し同時に頷いた。
「我々から見たあれはアメリカのハンバーガーではありません」
「同じく中国のラーメンではありません」
「そうなのですか。よく考えたらこれも昔から言われていることですね。そういえば我が国の料理も他の国ではかなりアレンジされている」
「私は寿司が好きですな」
 マクレーンはここで胸を張った。
「アメリカのスシは日本の寿司とは違いますね」
 八条はここで反撃に転じた。
「う
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