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故郷は青き星
第十九話
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質問があります』
「なんだ?」
『司令官。貴方と地球の間にどんな関係があるのですか?』
「!…………」
 エルシャンは言葉を口にする事が出来なかった。
『特に日本と言う国と司令官の間との関係があることが分かるのですが、その理由が分かりません』
「何故そう思う?」
 脇の下をパーフルオロカーボンとは別の液体に濡らし、心臓をバクバクとさせながらも平静を装いながら質問で返す。
『司令官。心拍数の増加と発汗が激しいようですが?』
「勝手にバイタルチェックすんなや!」
 痛いところを突かれたエルシャンは、治療中の身でありながら無茶苦茶を言う。
『理由は、フルント星において司令官が開発したと言われる、カレーライス。ラーメン。寿司。餃子。ピザ。すき焼き。お好み焼き──』
「ああ分かった、分かった。もう何も言うな」
 エルシャンは自分が言い逃れ出来ない状況に置かれている事を思い知った。
 自分を含めてフルント人が地球にかかわる事など無いと思っていたから、せめて地球の思い出として料理名に元の名前を、と思って使ったのが失敗だった。

「これから俺が言う事は絶対に他言するな。他の艦のマザーブレインと情報を共有する事も、連盟政府及び連盟軍への報告も許可しない。このシルバ6のマザーブレインであるお前だけが知ることを許可する。いいか?」
『了解です司令官』
「本当にだぞ」
 念を押すエルシャン。彼は相棒であるマザーブレインを信用していなかった。

「正直なところ、俺もどう説明すれば良いか分からない。はっきり言って自分でも馬鹿馬鹿しいと思えるほど荒唐無稽な話だが良いか?」
『誰も決して知りえるはずの無い情報を司令官が知っている段階で、十分に荒唐無稽と呼べる状況です』
「分かった……実は俺には前世の記憶がある。地球の日本人としての記憶がな」
『………………』
「何か答えろ」
『………………………………』
「自分で聞いておいて、答えたら放置か?」
『………………………………………………………………ナイスジョーク?』
「疑問形かよ!」
『司令官。私は今後貴方に対してどの様に接すれば良いのでしょう?』
「気の毒そうに言うな! 普通に接しろ! 俺は、ちゃんと前置きで荒唐無稽な話になると説明したよね?」
『ですが、それを信じるかどうかは別の話です』
「ああ言えば、こう言う! どう育てばこんなAIになるんだ?」
『これまでトリマ家の六代にわたる当主を司令官としてお仕えて参りました』
「そりゃあすまなかったね。たしかに最悪の環境だ! こりゃあおかしい!」
 エルシャンはヤケクソで笑う。
『もう気は済んだでしょか?』
 マザーブレインはエルシャンが笑い疲れるのを見計らい声を掛ける。
「気を使った風に優しく言うな!」
『それで、
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