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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
ララバイ編
EP.10 X784年、物語の始まり
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も無差別に蹂躙し、破壊した。
 
「ギャッ!」「ウアッ!?」「なんで……」……
 
「ふー、これで……やったか?」
 
 巻き込まれた魔導士を意にも介さず、ヴィクサーは土煙の中を目を凝らして見たが……
 
「呆れた……味方までやるのか、お前は……」
「!?」
 
 声はすぐ近く、ヴィクサーの目の前で聞こえた。
 
「な!? 貴様、どうやって……」
「答える義務はない! “魂威”!!」
「ガハッ!!」
「残りは……10人か。やり過ぎだ、馬鹿が……」
「そんな……ヴィクサーさんが……一撃で……」
 
 ワタルがやった事は簡単。
 予め魔力を感知したワタルは、鎖鎌を天井の梁に投げて巻き付かせて飛び上がり、“魂糸縫合”で体を梁に固定させてヴィクサーの魔法をやり過ごし、土煙の中の魔力の出所を感知。その目の前に飛び降りて“魂威”でヴィクサーを一撃、だ。
 
「……見えるのは一瞬、それも光と黒い残像だけ……」
 
 震える声は続く……。
 
「逃げろおおお!」
「逃がすか! フンッ!」
「なっ! うわああ!!」
 
 逃げようとした魔導士に対し、ワタルは巨大な手裏剣を換装、アジトの入り口の上に投擲して……何人か巻き込みながら入り口を塞いだ。
 再び忍者刀に換装したワタルは高速移動を再開、一人、また一人と意識を刈り取っていった。
 
「……しかも、光った、と思ったら既にやられている……間違いない、こいつは……」
 
 声の持ち主は、戦慄したように呟いた。
 
「残り5人!」
「クソがぁっ!!」
「う、うおおおお!!」
 
 傷持ちの吸血鬼の残りの魔導士達は自棄を起こし、一人を残して一斉にワタルに掛かってきたが……
 
「“連掌魂威”!」
 
 右、左、右、左、とワタルの腕が揺れて光が走った瞬間、四人は一人残らず床に伏した。
 後に残ったのは震えてる一人、ワタルは掌から、バチバチ、と紫電のような物を弾けさせながら接近した。
 
「妖精の尻尾の“黒き閃光(ブラック・グリント)”、ワタル・ヤツボシ……!」
「説明どうも!」
「ガッ……」
 
 腕を一閃、最後の一人の意識を“魂威”で刈り取り……この場に立っているのはワタル一人となった。
 
「傷持ちの吸血鬼、全50人……制圧完了。依頼終了だ」
 
 X784年、7月。ワタルは20歳となっていた。
 
    =  =  =
 
 小型の携帯用通信魔水晶(ラクリマ)を使って村に依頼終了を連絡し、評議員の検束部隊、ルーンナイトに傷持ちの吸血鬼の魔導士達を引き渡したワタルは、妖精の尻尾のギルドに帰ってきた。
 
「マスター、ただいま戻りました」
「おお、早かったな……“闇ギルドの拘束”に……どれぐらいじゃ?」
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