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星河の覇皇
第五部第三章 巨大戦艦その六
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 こうした質問に対しても言葉を濁した。結局真相本人以外にはわからなかった。
「しかし八条君やレイミー中将とよく話し合ったのだろう」
「はい、それでも色々と苦労しましたよ」
 キロモトの言葉にも苦笑して答えた。彼はよく苦笑することでも有名である。
「まあ財務省と国防省は何処でも仲が悪いものですが」
 この言葉はいささかシニカルであるがその通りであった。財務省は出費を嫌う。国防省は出費しかしない。これで仲が良くなる筈がないのだ。
 ちなみに彼と八条は特に仲が悪いわけでもない。個々のスタッフもそうである。友人としての付き合いを持っている者も多い。だが職務上よく意見が対立するのである。
「まあそれでこれだけの兵器が開発されたのならよしとしよう。財政的な制約も色々とクリアーしたのだろう?」
「はい。まあ細かいお話はここでは出来ませんが」
 やはり周囲の目や耳が気になった。何処にそれ等があるかわかったものではない。
「とりあえずそういった幾度かの激論がこれ等の兵器の開発に至ったということだけはおわかり下さい」
「うん。いずれその話を聞くことを楽しみにしているよ」
 キロモトは笑ってそう応えた。次は飛行機である。

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