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星河の覇皇
第五部第三章 巨大戦艦その四
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の最高指揮官にあたるが総合的な視点からそう定められているのだ。なお軍を統括するのは国防大臣であり最高司令官は大統領である。これは他の国と一緒である。
「とりあえず今度の最高会議ではそれを話してみる。今後の我が国に関わる重要な話だ」
「はい」
 最高会議とは国防大臣を議長に三長官が揃うオムダーマン軍にとっては極めて重要な会議である。これで軍の戦略が決定され、それを大統領が承認するという形である。軍の力が強いオムダーマンにおいてもやはりシビリアン=コントロールが行き届いているのである。
「しかしおそらくはハサンとの今の時点での戦いはないだろうな。国力が違い過ぎる」
「そうですね。やはりあの国は強大ですから」
 ハサンは貿易により潤っている。その財を軍にも回しているのだ。それがサハラにおいて最大の兵力を保持する源となっているのである。
「北か南か、だな」
「やはりそうなりますか」
「そこからハサンとの戦いだ。だがこれはかなり後になる。まずはどちらに進むのか決めなければならない」
「ですね。戦略なくして軍はありません」
 これもまた政治の基本である。将となれば政治の知識も求められる。昔からそうであるがこの時代では軍人は政治への参加は選挙以外の活動は、例えば政党の設立や個人的なコメントは認められていないがそうした知識はかっての時代よりも遥かに求められるようになっている。そうでなければ広範囲な戦略を考えることができないからだ。もっとも軍を退けば文民であるから政党を設立しても個人的なコメントもよい。
「北方も問題は多いが南方も南方で進出するにはかなりの問題点がありますね」
「そうだな。何といっても南方は地形が複雑だ」
 サハラにおいても南方の複雑な地形は特筆に値した。大小無数のブラックホールや磁気嵐、超惑星と多くの難所が存在していた。それは軍の進撃において重大な懸念材料となっていた。
 それが為に南方では小国が乱立した。そして互いに小競り合いを続けていたのだ。
「むしろ外交で少しずつ抱き込んでいった方がいいかも知れませんね」
「それも話すつもりだ」
「そうですか、それはいい」
 ハルダルトはそれを聞いて顔を明るくさせた。
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