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星河の覇皇
第五部第二章 狩りその三
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「外相の御意見ですが」
「はい」
 一同彼の次の言葉を待ち固唾を飲む。
「私は賛成致します」
(よし)
 クリシュナータはそれを聞き内心笑った。
「我がマウリアでそうしたものが発見された場合連合はすぐに力づくでも手に入れようと行動に移すでしょう。そうなった場合今のままでは到底対処できるものではありません」
「国防相もそうお考えですね」
「当然です。これは国防省の総意と受け取って頂いてもいいです」
 そう言い切った。
「すぐに新たな防衛計画、戦略計画を立案すべきです。対連合用の。外相もそうお考えでしょう」
「はい」
 エルールは笑顔で頷いた。
「首相はどうお考えでしょうか」
 二人は同時にムルワーラに尋ねた。見れば彼は腕を組んで考えている。
「私ですか」
「はい」
「そうですな」
 彼は腕を組みながらまだ考え続けた。そして口を開いた。
「私も外相と国防省に賛成致します」
 これで決まりであった。マウリアは国防計画の見直しとマウリアへの備えを決定して午後の閣議を終えた。クリシュナータはそれから自身の執務室に戻った。
 ペンを取りデスクワークに取り掛かっている。暫くして電話に手をかけた。
「情報本部に頼む」
 そして情報本部長に電話をかけた。やがて本人が出て来た。
「まだ残っていてくれたか。もう帰ったかと思ったが」
「何かあるかな、と思いましたので」
 本部長は答えた。彼は勘がいいことで知られている。
「そうか。では私が言いたいこともわかるな」
「はい」
 本部長は答えた。
「情報部員を何人か出してくれ。いけるか」
「はい、すぐにでも」
「そうか」
 クリシュナータはそれを聞き微笑んだ。
「では早速出そう」
「今度はオムダーマンですか」
 マウリアの情報部員の活動先はサハラである。やはり隣の戦乱に明け暮れる地域からは目が離せなかった。だが今回は違った。
「いや、連合だ」
 彼は言った。
「連合ですか。やはり例の観艦式で」
 本部長は特に驚かなかった。情報に携わる者として各国に情報部員を送り込むのは常識だからだ。
「それもあるがそれだけではない」
 クリシュナータは答えた。
「恒常的に送っておきたいのだ。そうだな、できれば連合の主要各国にもだ」
「それはまた大掛かりですな」
 本部長もそれには驚いていた。だが声には出さない。
「何かあったのですか」
「何かあってからでは遅い。そうではないか」
「確かに」
 事前に防ぐに越したことはない。何事も。
「では頼むぞ。中央政府に重点を置く」
「はい」
「そして日米中露だ。あとは旧太平洋諸国、そしてブラジルやアルゼンチンだ」
 送る先を次々に言っていく。
「他にはイスラエルにトルコ、とりあえずはそれでいいな」
「わ
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