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銀河転生伝説
第26話 バーミリオンの死闘
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この同盟領自体が敵の補給基地のようなもの。いちいち探しまわるのは時間と労力の無駄でしかかない。ならば、餌によって敵を引きつけ一気に殲滅する。このまま奴等を野放しにして、一気にハイネセンを落としてしまうのも手だ。だが、もし奴等が大人しく降伏せず各地に潜伏してゲリラ戦を行えば少々やっかいなことになる。それに、ナトルプ達の功を否定するわけでは無いが、あまりにもあっさりとイゼルローン要塞を奪回できたというのも気になる。何かがある……確証は無いがそんな感じがするのだ」

もちろん、アドルフはヤンがイゼルローン要塞に何を仕掛けたのかは知っている。
しかし、その合言葉まで覚えているほど彼は記憶力が良くなかった。

「もし仮に、イゼルローン要塞を奪回されて籠られるとやっかいだ。ここでヤンとは結着を付けておきたい。そこで……だ、卿らにはそれぞれの艦隊を率いて私の元から離れてもらう。この状況で奴らが勝利するには補給線を絶つか、私を討つしか無いからな。私を撃ち易くすれば、ヤン・ウェンリーも姿を見せるだろう。網を張ってそこを撃つのだ!」

「すると、閣下はご自身が囮となり直属の艦隊のみでヤン・ウェンリーの攻勢に対処なされるお積りですか? それはあまりに危険過ぎます、どうか小官だけでも前衛としてお傍に残ることをお許しください」

「もちろん、あのヤンを相手に私だけで立ち向かう……なんてことはせぬよ。ミュラー、シュタインメッツ、メックリンガーの3名には私と共にヤンを迎え撃ってもらう。それと、万一に備えてナトルプ、シドー両名はバーラト星域へ直進し、惑星ハイネセンを落として同盟政府を降伏させよ。異存は無いな?」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

こうして、帝国軍は動き出す。

また、帝国軍の各艦隊が各地に散ったのを知ったヤン・ウェンリーは艦隊をガンダルヴァ星系に向けた。
宇宙暦799年/帝国暦490年3月26日のことであった。


* * *


ヤン・ウェンリーはハプスブルク大公の本隊をバーミリオン星域で迎え撃つことにした。
これは、限られた時間の中でハプスブルク大公を撃たなければ勝機は無いとヤンが考えたためである。

「総員、第一級臨戦態勢」

「敵との距離84光秒」

「敵軍イエローゾーンを突破しつつあり、完全に射程距離に入りました!」

「……撃て」


宇宙暦799年/帝国暦490年4月13日。
バーミリオン星域の会戦は、平凡な形で開始された。

帝国軍はハプスブルク、ミュラー、シュタインメッツ、メックリンガーの4個艦隊62000隻。
同盟軍はヤン艦隊に第十二艦隊、第十四艦隊を加えた3個艦隊31000隻。

2倍の兵力差を活かして攻めようとするアド
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