第五部第一章 新たなる幕開けその一
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教である。従って富は悪いことではない。
彼もまたそれは理解していた。経済には明るくなくとも。
今オムダーマン軍は大規模な軍拡を行っている。併合したサラーフの軍を組み入れているのだ。
その数はかなりの規模になる。これで四十個の艦隊を持つことになった。
「最初の頃と比べると五倍か」
彼はその数を見て呟いた。
「増えたものだ。かっては一個艦隊ですら動かすのに苦労していたというのに」
オムダーマンはそこまで勢力を大きくさせていた。だが急激に大きくなった為多くの問題もまた抱えていた。
「これが歪か」
アッディーンはそう思った。
「だが軍の歪は直さなくてはな」
そうでなければまともな編成、運営なぞできはしない。
「とりあえずは艦艇か」
今は便宜上サラーフの艦艇も使っている。だがそれでは正常な運営はできない。
オムダーマンの艦艇とは火力も機動力も航続距離も違うのだ。とても同じ艦隊に入れることなぞできはしない。
アッディーンは電話を手にした。そして誰かを呼び出した。
「はい」
バヤズィトが出た。彼は宇宙艦隊後方参謀長に任命されていたのだ。
「俺だ」
アッディーンは彼に対して名乗った。
「少し聞きたいのだが今艦艇の補充はどうなっている」
彼は単刀直入に尋ねた。
「全ては順調です」
彼は答えた。
「サラーフの艦艇は次々に退役させその替わりにオムダーマンの艦艇を入れております」
「それ位かかる?」
「全て交代させるには一年程かと」
「そうか」
妥当だと思った。それ位なら問題はない。
「遅いでしょうか」
「いや」
アッディーンはそれを否定した。
「丁度いいと思う。それならいい」
「わかりました」
「あともう一つ聞きたいのだが」
彼はまた尋ねた。
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