第49話
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は?」
上条は思わず声をだし、麻生はまたか、と呟いた。
しかし、インデックスは一〇万三〇〇〇冊を記憶している魔道書図書館だ。
麻生は知らないが八月三一日に誘拐騒ぎが起きている。
「ちょっと待て。
何がどうなったか、順番に説明してくんないか?」
舞夏の話によると学生寮に「研修」にやってきたのは二時間前。
そこで掃除をしていた所を、七階通路で暇そうにしていたインデックスと出会い、世間話をしていたらしい。
その世間話に割り込むように、突然インデックスの背後から誰かが彼女の口を塞いで、連れ去ってしまったとか。
「去り際に、誘拐犯が封筒を渡してきたのー。
そこに色々書いてあって・・・・」
ダイレクトメールに使われたような、横に細長い封筒を舞夏は手渡してきた。
彼女の声は震えており、それは単なる恐怖だけではなく、自分が何もできなかった事に対しての負い目があるのだろう。
「いや、闇雲に動いて下手に状況悪化させるよりずっとマシだよ。」
その言葉は舞夏を安心させるものだったが、彼女は余計に困ったような表情を浮かべる。
「そんで、その馬鹿野郎はどんな感じのヤツだった?」
舞夏はちょっと考えるように頭上を見上げてから言う。
「まず身長は一八〇センチを超えててなー、白人さんっぽかったぞ。
でも、日本語は上手だったし、見た目だけでどこの国の人かまでは分からなかった。」
「ふんふん。」
「それで神父さんみたいな格好でなー」
「ふん?」
「神父のくせに香水臭くて、肩まである髪が真っ赤に染まってて、両手の十本指には銀の指輪がごてごて付いてて、右目の下にバーコードの刺青が入ってて、くわえ煙草で耳にはピアスが満載だったー。」
「おい、すっごい見覚えあるぞ、その腐れイギリス神父。」
舞夏は首を傾げ、麻生は強で何回ついたか分からないため息を吐く。
上条は封筒を調べると、中には一枚の便箋が入っている。
そこには、定規を使って書いたようなシャーペンの字でこう書かれていた。
『上条当麻 麻生恭介 彼女の命が惜しくば 学園都市の外にある 廃劇場「薄明座」跡地まで やってこい』
「今時、定規で筆跡隠しかよ。」
「あいつにはこれくらいの事しか思い浮かばなかったんだろう。
でも、ステイルが定規を使ってこれを書いている所を想像するとかなり笑えるな。」
麻生はそう言っていたがこの学園都市にはこの程度ではすぐに身元が割れてしまう。
上条は笑いを通り越して少し呆れてしまう。
舞夏の話をまとめると、インデックスを連れ去ったのはステイル=マグヌスだ。
彼がインデックスの命を脅かす事など絶対にない筈だ。
むしろ、彼女の為なら敵地だろうが要塞だろうが迷わず突
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