§18 嫉妬団再び
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「ごっ、護堂てめっ!?」
「れーとさん……」
恵那の呆れの視線が痛い痛い痛い……!! なんでここまで来て貧乏くじをひかにゃならんのだ!? 神は死んだのか!?
「あの、恵那さん?」
そんな黎斗に救世主。突如恵那の後ろから疑問の声。この救世主は裕理か。
「あぁ、ごめんごめん裕理。草薙さん、御取込み中失礼〜。イキナリで悪いんだけどさ、明日暇? 裕理とデートに行かない?」
「デートだって!?」
「恵那さん!! そんな私、まだ心の準備が……」
「んもう、しょうがないなぁ。……れーとさん、どーせ明日暇でしょ? 恵那と一緒に裕理のデート手伝ってよ。二人もコブ付きならいいでしょ?」
唖然とする男共を尻目に巫女様二人の話は進んでいく。そして、これが惨劇の幕を開ける。
「同志Lいや黎斗、お前もか!!」
「ダブルデートとは良いご身分だなえぇ!?」
「ちょっ、待てお前ら落ち着」
「お前だけは信じていたのに……!!」
ダブルデートは否定したい。がそうとられても仕方のない状況だ。恵那が頼んだのが自分でなく三馬鹿だったり他の男ならば黎斗自身も嫉妬側に参加していた自信がある。っーか潰す。そんな余談は置いておいて、脈絡もなくいきなりそんな話題を振られて困っているのに、この仕打ち。どんな対応が正解なのだろうか。こんなADVゲームがあったとしたらどのような選択肢が出てくるか。そこにきっとこの場を打開する活路がある???!!
「……男の争いって醜いな」
「えぇ、全くです。草薙護堂。あなたもこんな輩にならないように」
冷静に眺める護堂とリリアナ。彼らに言われるとすごく腹が立つ、がこの状況では反論できない。男たちの友情は脆くも崩れ去り、残ったのは醜い同士討ち。
「え? 恵那さんはそれで良いのですか?」
「良いって良いって。裕理が頑張ってくれるなら、わざわざ私が参加しなくてもきっとばあちゃんも許してくれるよ。おじいちゃまだってあんま乗り気じゃないし」
言い訳に終始する黎斗の耳は変な単語を拾い上げる。今聞き捨てならない単語が出てきた気がする。恵那の役目は裕理と護堂をくっつけるだけではないのか? なんかとっても嫌な予感がする。
「恵那、それってどうい」
「てめぇ既に呼び捨てで言うような仲なのかよ!!」
逆上した名波に揺さぶられる。頭が鞭打ちになりそうなほど激しく揺れる。頭がげそうだ。ってかこのままだとげる。抵抗しようにも頭がシェイクされていて動けない。これは正直、洒落になってない。
「うわああああああああ!!!」
突如奇声を上げた高木は、黎斗の奇声と同時に護堂を抱えて走り出す。その速度、さながら疾風のごとし。
「どわああぁ!!?」
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