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SAO編−白百合の刃−
SAO3-隠れボスという存在
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はないはず。ただ家に招待するのは嫌だと言うわけじゃない、むしろそっちがいいけど……当人はそんなこと望んではいない。
 ドウセツは「そうね……」と前置きのように呟き、私の問いを返した。

「さて、問題。ここからクリアするにはどうすればいいのかしら?」
「え、問題?」
「聞こえないの? 貴女も鈍感主人公だと叩かれやすい難聴バカ?」
「いや、違うから……つか、ドウセツもアニメ見るんだね」
「見て悪い?」
「いや、いいです」

 なんか親近感と意外性が見えた。

「その問題さ、ドウセツは私のことバカにしているの?」
「貴女の回答次第でバカにする」
「いや、そこは優しく教えようよ。でも、その必要ないんだけどね。答えは百層のボズを倒すことでしょ」

 そんな解り切ったことを、なんで問題にして出したんだろう私をバカにするためだけに問題を出すわけがないのはわかったけど、その心理がイマイチわからない。とりあえずこのゲームのクリア条件を答えた。
 ドウセツの表情は淡々としていて、どこかバカにしているような視線で語り続けた。

「貴女バカではないわね」
「これくらいは当たり前だって」
「でも貴女はアホね」
「酷い! 上げてもないのに、平行線で叩き落とすとか鬼畜!」

 問題に解答しただけなのに、しかも問題は簡単なものなのに、アホ扱いされた。1+1=は田んぼの田が正解とか言うのか!? 普通に回答しただけじゃ駄目なのか!?

「正解は合っているが、そんなわかりきっていることを今更聞く必要はない」
「だったら、もっとわかりやすくしてよ」
「する必要はないわ。私が求めている答えはもう一つの方法」
「そんなのあったっけ?」
「思い出しなさい。全てが始まったあの日のチュートリアル。茅場晶彦が説明した、もう一つのクリア条件の方法」
「…………あ」
「思い出した?」
「……うん。思い出した」

 私は忘れていた。いや、忘れされていたと言ってもいい。誰かに記憶を消されかけたのではなく、自分自身で一部の記憶を無意識に消しかけていた。

「隠れボス!」

 ゲームの世界から現実世界へ脱出する条件。それは、百層到達。正確に言えば、百層のボスを倒してクリアしたら現実世界へ帰れるようになっているはずだ。だからみんな百層を目指して、モンスターやフロアボス達の戦いを繰り返し、一層ずつ攻略し、登り続けている。地道に、一層ずつ、何日もかけて攻略をかけることになっていても、ソロや複数、ギルド、攻略組のサポートをする人達の皆で力を合わせれば必ず現実世界へ帰れると希望を抱いていた。
 でも一気に頂上へ登る近道、“それ”を倒せば、現実世界へ帰れる道が用意されている。情報が少なすぎて盲点になってしまった、微かな希望。それが隠れボスという存在。

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