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Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueU
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heavens to reach again《再び至りたいと切に望む》────
 one’s desire an inordinate ambition(我が渇望こそ原初の非望), I'm only knows "SECRET CODE"(誰にも解せぬ至高の極致)────」

 現代にまで積み重ねられてきた希望、絶望、羨望、渇望は、魂にまで刻まれた宿命と化している。

 代を重ねるごとに魔術師としての性能は向上し、根源への執着も増していく。
 もしかしたら父はそんな黒守の生き方に疲れ、見切りをつけたのだろうか。
 これまでと同じく俺もまた根源へは至れず、さらには子孫を残すことさえなく消えていくのかもしれない。

 だけど、それでいいのかもしれない。たとえ俺に子供ができたとして、600余年も継続した狂気を受け継がせたいとは思わない。

 そうした点において、俺は両親と同じ考え方をしている。

 彼らの愛した子である俺は、結局は黒守の名を受け継いだが。
 そういう意味でなら、あの二人の生と死には……その想いには、意味と意義があったと言えるだろう。

 この先いつか、俺は魔術師として生きて魔術師として死ぬ。

 たとえそれでも、両親の遺志は確かにここに。
 そして曾祖父さん、さらにその祖先の黒守に誓って、彼ら全員の志を無にはしない。

 だから今はまだ、一般の人間と魔術師の狭間で揺れていたい。両立できているかもわからない、半端な生き方かもしれないけれど。
 曾祖父さんがくれた黒守で在り、両親が愛してくれた黎慈で在りたいのだ。

I'm only one's(其は誰にも触れられぬ), "INNOCENT GARDEN"(至純の聖界)────
 set grave "SPIRITUAL NAME"(我が真名刻め)……set grave "ORIGINS NAME"(汝が真名を刻め)……──────!!」

 己を含めた黒守の意志全てを込め、詠唱を完了する。
 同調する聖遺物の波動に魔術刻印が光りだし、刻印に同化していく概念をこの身に魔術として実装する。

 完遂した儀式に魔方陣は輝きを弱めていく。

 主の目覚めに歓喜するかのように、魔術刻印が鳴動しているように感じる。
 魔力の胎動と自身の鼓動が重なる。久しぶりに聖遺物との契約を行使したが、同調率は過去最高域。

 どうやら黒守の魔術は、今の俺でも行使可能なようだ。

「……Blitz Shot(光弾、射出)!!」

 手を銃を模した形にし、二本の指先から光弾を作る。
 工房内の物を破壊しないよう、出力を極限まで絞りながら魔力で形成された光弾を撃ち出す。

 通常出力の威力でゴム弾程度、高出力で人間の身体に穴を穿てる
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