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SAO─戦士達の物語
GGO編
百六話 Encount
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形については分からないのだ。当然、こういう事もある。しかし今不味いのはそれでは無い。アイリが撃たれるという事だ。当然アイリは向こうに向かって一直線に突っ込んでいるわけで……

────

正面の敵が、自分に銃口を向けていた。マグプル MASADAと呼ばれる銃だ。性能としては使い手のニーズに答えて色々な特製の銃に変貌できる非常に対応力の高い銃で、少し時間が有れば銃自体のそれこそあらゆるパーツが工具なしで素早く交換できると言うから驚きだ。(勿論、戦闘中にそんな暇は無いだろうが)
次の瞬間には飛び出すだろう弾丸に、アイリは身構える……事無く、そのまま突っ込みつつ、腰のMP7を抜く。が、抜ききるよりも前に、MASADAの銃口からフルオートで発射された弾丸が次々に飛んできた。

「っ!」
息を詰めて姿勢を低く、自身の事を貫く、赤い光の線を冷静に観察する。
昨日、GGOをプレイしてきた中で初めて見た、自分と同じ光剣使いの少女……もとい、少年。
彼の戦闘を一度だけ見たが、目から鱗とはあの事だ。
これまでアイリは、光剣を使ってもそれを使うのは攻撃に対してのみだった。頭の何処かで、音速を超えて飛んでくる弾丸を剣で斬れるわけがないと言う固定観念が有ったからだ。しかしよくよく考えてみれば、その弾丸が飛んでくる場所は初めから分かっているのだ。冷静にバレッド・ラインが表示される“順番”を見極めれば、後はその線上に剣を置いてやるだけでいい。

と言う訳で、アイリは昨日の夜実弾発射系Mobを相手にひたすらその練習に打ち込んだ。
その時覚えた通りに、今バレッド・ラインを観察する。その中から、直撃コースの物だけを見極めると……

「ふっ!!」
それぞれの線の上に、順番に剣を置いた。光剣に当たった弾丸が次から次へと両断され、アイリの後ろに飛んでいく。が……

『流石に慣れてないときついか……なっ!』
徐々に判断が追いつかなくなるのを感じて、アイリは弾丸切りから通常の防衛に切り替える。左手のMP7を腕で固定するように構えたまま突進して、引き金を引く。
腰だめにMASADAを撃ちまくっていた相手のキレの良い顔をしたプレイヤーの右腕に弾丸が次々に突き刺さり、体が大きく横に振られて相手は銃口を右に振らされる。
当然アイリからは銃口が外れる訳で……

「一刀……両断!!」
ブレードの攻撃範囲内に相手が入った時点で、アイリは一気に光剣を振り切った。

────

「もぅ、次からは気を付けてね!?」
「面目ねぇ……」
先行しながら言ったアイリに、リョウが後ろを警戒しつつ申し訳なさそうに頭を下げた。
アイリの練習が有ったから良かったような物の。である。相手を退場させるどころか、危うくアイリの方がBobから退場する所だったのだ。
と、いまリョウと
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