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八条学園騒動記
第三十七話 華の四姉妹その五
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「だったら」
「お姉ちゃんも何かあるの?」
「私もね。今度のサークルの発表会で出さなくちゃいけない刺繍があるから」
「そうなの」
「それを終わらせてから。それでいいわよね」
「うん。それじゃあ」
 エイミーはにこりと笑ってそれに応える。
「後でね」
「ええ。お酒残しておいてね」
 こう言い残してメグも一旦自分の部屋に入った。皆それを見送った後で顔を見合わせて話に入るのであった。
「よし、俺にいい考えがあるぜ」
 フックが言ってきた。
「いい考え?」
「とにかく強い酒を出すんだ」
 皆それを受けて銘々の酒を出す。ウイスキーにブランデー、バーボン、ラオチュー、ウォッカ、焼酎、そしてラクといったものが次々に出される。
「よし、これをな」
「どうするんだ?」
 ジョルジュがそれに問う。
「勿論お姉さん達に飲んでもらうんだ。しかもな」
「しかも」
「普通には飲んでもらわない」
 こう言ってきた。
「まずは全部入れて」
 それぞれ何処からか出してきた巨大な鍋に入れていく。全部入れ終わった後でフックはそれを頭の上で激しく回転させてきた。
「おっ!?」
「何してんの、フック」
「これで掻き混ぜてるんだよ」
 そう皆に答える。
「要するにカクテルさ」
「ふうん、カクテル」
「そう、それも俺のオリジナルカクテル。名付けて」
 何か得体の知れないカクテルの名称を言ってきた。
「ギャラクティカ=ファントムだ」
「また一発で昇天しそうな名前だな」
 ジョルジュがそれを聞いて述べる。
「本来は左手で作るみたいな」
「まあ名前は思いつきだ」
 一応はそう誤魔化す。
「けれどな。これを飲んだら誰でも潰れるぜ」
「いいわね、それって」
 蝉玉がその話に笑って賛成してきた。彼女ももう真っ赤である。
「じゃあそれをお姉さん達に」
「いい、エイミー」
 スターリングが責任者になっているエイミーに問うてきた。
「それで」
「ええ、私はね」
 彼女はそれで特に構わない。だから気にする素振りもなかった。
「ただ」
「ただ?」
「後のこと考えてる?」
 フックだけでなく皆にそう問うてきた。
「後のことって」
「だからお姉ちゃん達が酔い潰れた後よ」
 エイミーはそれを述べるのであった。
「どうなっても知らないわよ」
「まあ大丈夫だろ」
 ジョルジュが根拠のないことを言ってきた。
「何かよくわからないけれど。そんなに酒癖悪くはないだろ」
「そういえばエイミーはあまり酔ってないね」
 トムがエイミーに声をかける。
「見たところ」
「ああ、私結構強い方なの」
 彼女はそう答えてきた。
「お酒とかはね」
「そうなんだ」
「ええ。そういえばお姉ちゃん達も強かったわ」
「じゃあ安心だな
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