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八条学園騒動記
第三十六話 馬鹿兄貴は永遠にその四
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整った。後は洪童が来るだけであった。
 その洪童が遂にレッドバファローに到着した。するとすぐに部屋を虱潰しに覗いていった。
「ここか!」
 違った。
「それともここか!」
 そこでもなかった。かなり迷惑な行動をとって妹を探している。
 そして遂に妹のいそうな部屋を見つけた。そこへ春香と黒いスーツに赤いネクタイのスラリとした男が入っていくのを見たからだ。
「あそこか」
 それを確認して呟く。もう迷いはしなかった。
 すぐに部屋の中へ飛び込む。そして叫ぶ。
「春香に言い寄る男は俺が許さん!」
「えっ!?」
 しかしそこにいたのは春香のクラスメイト達とペリーヌにダイアナ、そして黒いスーツを着たビアンカであった。
「あれっ、男は」
「いないわよ、男の子なんて」
 黒いスーツに赤いネクタイのビアンカが彼に笑って返す。
「どうしたのよ、一体」
「春香、まさか御前」
「折角皆で楽しく歌っていたのに」
 春香は憮然とした顔を兄に向けて述べる。
「どうしてここに?」
「御前が悪い男に言い寄られていたからだ」
 兄として言う。
「だから・・・・・・ってビアンカだったのか」
「似合う?」
 くすりと笑って洪童に声をかけてきた。
「この格好」
「いや、確か御前」
 彼もビアンカの好みは知っている。そう、彼女は。
「レズだったよな」
「ええ」
 今度はにこりと笑って述べてきた。
「そうだけれど」
「じゃあやっぱり御前か!春香に言い寄っていたのは!」
「ああ、それ違うわよ」
 ペリーヌが言ってきた。
「ビアンカは今はじめて春香ちゃんと一緒になったんだから」
「そうなのか!?」
「それは私も保証するわ」
 ダイアナも言う。これは本当のことである。
「私達もずっと一緒だったし」
「そうか」
「私達もですよ」
 春香のクラスメイト達も述べる。
「そうですよね」
「ええ」
 ペリーヌとダイアナは彼女達に笑顔で応える。本当だというのである。
「そうだったのか。じゃああの噂は」
 ここで洪童の身体に異変が起こった。
「!?」
 急にお腹が緩くなったのだ。恐怖の突発性の下痢だ。彼もこれには適わない。
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