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八条学園騒動記
第三十六話 馬鹿兄貴は永遠にその三
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「そうか」
 話はアルフレドがまとめて聞いていた。腕を組んで話を聞いていた。
「じゃああいつが動くな」
「そうだろうね」
 ジョンがその言葉に頷く。
「間違いなく」
「そうだな。よし」
 ここでアルフレドは遂に顔を上げた。
「今がチャンスだ、皆」
「動くんだな」
「そうだ」
 皆に対して述べる。
「じゃあジョン」
「うん」
「ビアンカ」
「ええ」
 二人が応える。
「そういうことで」
「じゃあまずは僕がね」
 ジョンはすっと姿を消した。続いてビアンカも。
「先回りしておくわね」
「うん、頼むよ」
 ビアンカも姿を消した。こうして主なアクター、アクトレスはそれぞれの役の準備に入った。その次にアルフレドもすっと席を立つ。クラスメイト達がそれに続く。
 こうして彼等も準備に入る。洪童は洪童で訳のわからないことに熱中している。それが何なのかはおそらく彼にもよくわかってはいない。
 洪童は一人教室を出て家に帰ろうとする。しかしここで前を歩く生徒達の話をちらりと聞いたのであった。
「春香ちゃんどうしたの?」
「ええ、彼女ならカラオケボックスに行ったわよ」
「何処?」
「学校の近くのレッドバファロー」
「レッドバファロー?」
 洪童もその場所が何処かは知っている。それを聞いてふと考える目になった。
「ええ、そこにね。二人で行ったわよ」
「二人!?まさか」
「そうなんだ。彼女最近遊んでるわね」
「そうね、何か」
 そんな話をしていた。それを聞いた洪童の目の色が変わった。目だけでなく顔が見る見るうちに羅刹のようになっていく。
「春香に言い寄る男は!」
 彼は廊下の真ん中で一人叫ぶ。
「俺が殺してやる!」
 そのまま全速力でレッドバファローに向かう。話していたのは何とパレアナとコゼットであった。二人はすぐにアルフレドに携帯で連絡を入れた。
「こっちは上手くいったわよ」
「レッドバファローに向かったわ」
「よし」
 アルフレドは携帯でそれを聞いて満足して頷いた。
「これで第一段階はいい。次は」
 すぐに彼は他のメンバーに携帯で連絡を入れる。彼は着々と手を打っていた。全ては彼の思い通りにいっていた。
 洪童はそんなことなぞ知らずカラオケボックスに突き進む。そこには何の迷いも躊躇いもない。というよりは春香のこと以外は何も考えてはいなかった。
「春香ーーーーーーーっ!」
「お待ちなさい」
 だがそこで占い師が彼を呼び止めた。犬を連れてフードで顔を覆っている。
「そこの頭のよさそうな若者」
「それは俺のことか?」
 洪童はすぐに彼に顔を向けてきた。足を無意識のうちに止める。
「左様。君のことだ」
 占い師は言う。
「君は今何かを解決しようとしているな」
「当然だ!」
 彼
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