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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第百九話 暗黒の支配者
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男は札を一枚置きそれをグラスの下に挟んだ。そしてイングラムと共に部屋を後にしたのであった。
二人はそのまま路地裏の誰もいない場所にやって来た。そして向かい合った。
「孫光龍」
イングラムはまず男の名を呼んだ。
「今は。何を考えている」
「今ですか」
「そうだ」
イングラムは言った。
「御前が何かを考えていない筈はない」
「また心外な言葉ですね」
孫は自身を見据えるイングラムに軽い声で返した。
「僕が悪巧みをしているような」
「では言い直すか」
イングラムはすぐに言葉を訂正してきた。
「ガンエデンは。どう動くつもりなのだ」
「どうって決まってるじゃないですか」
孫は軽い声で返した。
「ガンエデンの本来の仕事をするのですよ」
「本来の仕事」
「ええ、地球を守ることをね」
彼は言い切った。
「果たされるのですよ」
「そして孫光龍」
イングラムはその言葉を受けて孫を見据えた。
「貴様もか」
「無論そのつもりですが」
孫は飄々とした様子でそれに返した。
「それが何か」
「・・・・・・信用できると思うか」
「おやおや」
剣呑なものを含んだイングラムの声を笑って返した。
「またそんな。僕を信用しないので?」
「貴様のことを知らないとでも思っているのか」
「ほう」
孫はイングラムのその言葉に声をあげた。
「では僕が何者かも」
「アクラブ」
イングラムはその名を口にした。
「これでいいか」
「ふふふ、よく御存知で」
「確かに敵は減った」
ガイゾックもドクーガも滅んだ。他にも多くの敵がロンド=ベルの前に潰え去った。だがそれでも戦乱は続いている。イングラムもまた多くの敵を相手にしているのである。
「しかし地球はまだ安全ではない」
「はい」
「地球内の勢力だけでも相当なものだ」
「そうですね。しかしそれを全て倒した時」
「その時か」
「そうです、ガンエデンは動きますよ」
「地球を守る為にか」
「その通りです。その時にまた御会いしましょう」
「果たしてどういった形で地球を守るのか」
「それはまだ秘密です」
「だが一つ言っておこう」
「何をですか?」
「地球だけでどうにかならないこともあるのだ」
「もう一つの地球ですか?」
「ガンエデンはそのことに気付いているのか」
「さてね。貴方が見ているのとは違うかも知れませんね」
「因果。それを忘れるな」
イングラムは最後にこう言った。
「因果地平の彼方にいて世界を見る者」
「宇宙ではなく?」
「全ての世界のだ。俺も貴様もその中にいるのだ」
「何か深い意味のようですね」
「貴様はわかっていると思うがな」
「また何のことかわかりませんが」
「まあいい。貴様の相手は俺ではない」
イングラムは言った。
「俺の相手は
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