暁 〜小説投稿サイト〜
対決!!天本博士対クラウン
第百五十三話

[8]前話 [2]次話

                 第百五十三話  先生の好物
 とりあえず小田切君の話は一段落となった。そして次は。
「それではですね」
「ええ。それでは?」
「私ですね」 
 自分からこう言う先生であった。
「私のお話ですね」
「ですが先生はずっとこちらにおられるんですよね」
「はい」
 まずは小田切君のその問いに答える先生であった。
「そうです。生まれた時からここで暮らしています」
「では別に何もないのでは?」
 話をしながらそう思う小田切君だった。
「別に。これといって」
「好きな食べ物ですが」
「あっ、そちらですか」
 話はそちらの方であった。話を聞いて合点した顔になり頷く小田切君だった。
「そちらの方のことですか」
「はい、そうです」
 先生もいつもの微笑で小田切君に答えた。
「そのことですけれど」
「甘いものはお好きですよね」
「その通りです。甘いものでしたら何でも」
「何でもですか」
 それを聞いてまずは納得する小田切君だった。
「この羊羹もそうですし」
「羊羹もですか」
「あとカステラも」
 それもであった。
「カステラも好きなんですよ」
「じゃあその場合は紅茶ですね」
「そうですね。カステラには紅茶です」
 答えると共にまた微笑む先生であった。
「その組み合わせが好きです」
「ですよね。僕はコーヒーもどちらもいけますが」
「どちらもですか」
「けれどカステラは好きですよ」
 これは小田切君も同じであるのだった。
「それも」
「あとはアイスクリームも」
「むっ!?」
 先生の話を聞くうちに。小田切君はあることに気付いたのだった。
「それと餡パンもです」
「餡パンもですか」
「それが何か?」
「いえ。それではですね」
「ええ」
「もっと御聞きしたいんですが」
 こう問う小田切君だった。
「ちょっと。それは」
「それは?」
「はい。それでですね」
 かなり気になって先生にさらに尋ねる小田切君だった。どうやら何かに気付いたようであった。


第百五十三話   完


                   2008・11・29
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ