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SAO─戦士達の物語
ALO編
七十六話 断ち切られる絶望
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の仕事の結果を確認する意味でも、涼人は和人に付いていくつもりでいた。夫婦水入らず?なんだそれは。

「とりあえず……」
適当に着替え始める涼人の身体には汗も無く、シャワーも必要ないほどだ。今頃和人も、大急ぎで着替えをしている事だろう。

「全く、好きだよな彼奴も……」
そんな事を呟きつつ、涼人は机の上の携帯端末を手に取る。
机の上には普段から彼が使っているパソコン二台に加えて、他幾つかの外部接続機器も置いてある。
その内幾つかは、姉である桐ヶ谷怜奈から国際便で借りたハッキング用のツールだ。姉自身に手伝って貰えば今回の件の収束も早かっただろうが、怜奈は今日本に居ないし、確信の無いことで忙しい姉の手を煩わせたくはなかった為、ツールを借りただけで止めた。

「さて、と……」
下に降りると、サンドイッチを作って居る直葉が居た。

「よぉ。スグ、一個くれ」
「降りてきて早々そういうこと言うんだから……はい」
「サンキュー、サンキュー」
言いつつも、分厚いサンドイッチを手渡してくる直葉礼を言いつつ、リョウはホクホク顔でそれをパクつく。と、何かを思い出したようにリョウは口を開く。

「ング……そういやスグ」
「え?」
もう一個(恐らくはキリト用だ)サンドイッチを作り終えながら振り向いた直葉リョウはニヤリと笑うと、言った。

「サンキューな。色々俺達に付き合ってもらってよ。お前と会えたのは、正直滅茶苦茶運良かったと思うわ」
「……ぷっ」
すると直葉は突然、小さく吹き出した。それを見て、涼人は訝しげに眉をひそめる。

「何だよ?俺なんか面白い事言ったか」
「う、ううん。そうじゃ無くって……お兄ちゃんにも同じ事言われたからつい……さ」
「あーあ。なる……」
言っている間に、ダウンジャケットを着た和人が階段を下りて来る。
と、同じくジャケットを着た涼人を見て驚いたような顔をした。

「あれ……兄貴も行くのか?」
「おう。一応確認だけにな」
「あ、お兄ちゃん、これ作っといた……」
「お、サンキュ……」
そんな会話をしつつ外に出る。と、不意に、リョウの手に冷たいものが当たった。

「ん……雪か」
「あ、ホント……」
「え……」
三人が同時に見上げると、天空から、ちらちらと白い物が降り注いで来ていた。

「…………」
「いまからタクシー呼ぶよりは、自転車の方が早いな……兄貴、良いか?」
「ん?あ、あぁ。ママチャリだが……ま、積もらねぇ事を祈るとしよう」
「はは……」
そう言って、涼人と和人は自転車をこぐ。目指すは三日前にも行った場所……

────

雪の中一度タイヤを滑らせそうになりながらも、和人と涼人は丘の上に立つ病院へとたどり着く。所々の部
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