第二十三話 甲冑乙女その四
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「この辺りは何度も馬で走ったけれど」
「じゃあ何なんでしょうか」
「一度言ってみる?」
霧島はその社を見ながら二人に問うた。
「ここはね」
「そうですね。それじゃあ」
「行ってみましょう」
「じゃあ今からね」
こうしてだ。五人はすぐにだ。その対岸に馬で向かった。そうしたのだ。
そして辿り着くとだ。その社は。
赤く何十メートルもあった。その巨大な社を見上げてだ。霧島は言った。
「こちらの世界の靖国神社のそれよりも大きいわね」
「こんな大きなのはじめて見ました」
光も驚きを隠せない感じだ。
「あの、これは一体」
「やっぱり見たことがないわ」
マサムネは赤い巨大な社を見上げつつ呟いた。
「ここまで大きなのはね」
「じゃあ一体この神社は」
「何なんですか?」
霧島とヒデヨシがマサムネに問う。
「急に出て来たみたいだけれど」
「こんなの急には造られないですよね」
「じゃあ一体何だと思うのかしら」
「先生、心当たりはありますか?」
「心当たりはあるわ」
それはだとだ。マサムネはヒデヨシの問いに答える。
そのうえでだ。こう仲間達に言うのだった。
「この神社こそがね」
「スサノオですか」
「有り得るわ」
その可能性がだというのだ。
「それもね」
「えっ、じゃあまさか」
「今にもここから」
「気配はないわね」
三輪は鋭い目になりヒデヨシとマサムネに告げた。
「けれどここはね」
「怪しいことは間違いないわ」
霧島も鋭い顔で述べる。言いながら周囲を見回している。
「急に出て来たのならね」
「ここは一旦安土に帰りましょう」
そしてだ。光はこう提案した。
「そうして皆さんと一緒にです」
「そうね。また来た方がいいわね」
マサムネもだ。その左目で周囲を見回しながら述べる。
「五人だけだと」
「負けはしないわ」
霧島は絶対の自信をマサムネに見せた。
「私達はね。何があろうとも」
「けれどそれでもなのね」
「ええ、完全に勝つ為にね」
まさにだ。その為にだというのだ。
「万全を期すべきだから」
「その辺りかなり慎重なのね」
「戦いに慣れてるから」
だからだとだ。伊達にそうではないというのだ。
「それでなのよ」
「わかったわ。それではね」
「一旦安土に戻りましょう」
こう話してだ。乙女達は一旦安土城に戻った。そのうえでだ。
一同にその巨大な社のことを話す。それを受けてだ。
まずはだ。ノブナガの傍らに控えるミツヒデが言うのだった。
「はて。その様な社なぞ」
「御存知ないですか」
「うむ、初耳だ」
実際にそうだとだ。ミツヒデは自分の顎に右手を当てて考える顔で光に述べる。
「そこまで巨大な社だと嫌でも目につくが」
「それにじ
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