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万華鏡
プレリュードその五
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「何かそんな感じがするわね」
「黄色ですか」
「ええ、雰囲気のことだけれど」
 その色になるというのだ。
「私の感覚だけれどね」
「あっ、実は制服は青ですけれど」
「黄色も好きなの」
「はい。けれど黄色の制服って目立ち過ぎますよね」
「あるにはあるけれどね」
「ですから。ちょっと着るには無理があって」 
 それでだとだ。琴乃はこのことには苦笑いで話した。
「この制服にしました」
「それでなのね」
「そうなんです。とにかくあっちですね」
「ええ、あっちよ」
 学校の話に戻った。美女はまた彼女から見て左手、琴乃から見て右手を指し示した。そこい多くの生徒達が向かっている。それぞれの制服を着た。
 その校門の方を指差しながらだ。美女はまた琴乃に話した。
「早く行きなさい」
「わかりました。それじゃあ」
「これから三年間色々あるでしょうけれど」
 今度はこんなことを言ってきた。
「面白いものになる筈よ」
「この八条高校での生活は」
「面白い学校よ。私は楽しんでるわ」
「色々な部活があるって聞いてます」
「部活も多いわよ。多過ぎて選ぶのが困る位よ」
 そこまでだというのだ。
「まあとにかくね。高校生活は今日からはじまるから」
「はい、楽しませてもらいます」
 琴乃は先輩でもある美女の言葉に笑顔で応えた。そうしてだった。
 その校門をくぐり別の案内役の誘導を受けてまずは自分の最初のクラスに入った。そこに入ると。
 知っている顔はなかった。皆はじめて見る顔だった。
「ううん。同じ中学から受けた子もいたのに」
 それで合格した同級生も多かった。だが。
 このクラスには誰もいなかった。本当に知っている生徒はいなかった。
 このことに少し寂しさを覚えた。だが、だった。
 クラスに入って暫くしてだ。こう放送が入ってきた。
「新入生の皆さんにお知らせです」
「あっ、いよいよね」
「只今より始業式をはじめます」
 この放送がかかるとだ。琴乃だけでなくだ。
 クラスの面々、まだ誰も知らない彼等がだ。こう言ったのである。
「いよいよかあ」
「始業式ね」
「さて、本当にな」
「これからあhじまりね」
 こう言うのだった。
「それじゃあ行くか」
「今から体育館に」
「そうしよう」
 こうした話をしてだ。皆でだった。
 教室を出て外に出る。ここでだ。
 また案内役の先輩がいてだ。こう彼等に言ってきた。
「じゃあ皆ね」
「はい、これからですね」
「体育館ですよね」
「こっちよ」
 その彼等にだ。こう言ったのである。
「こっちにあるから」
「あっ、案内も出てますね」
「ちゃんと」
 見れば廊下の壁に矢印が貼られていた。体育館はこちらだと指し示している。
 琴乃達もその矢印を
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