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万華鏡
第一話 五人その三
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「新入生よ。今日入学したばかりの」
「そうよね。けれど何か私って」
「琴乃ちゃんが?」
「そう。よく幼いって言われるのよね」
「子供みたいってこと?」
「そう言われるの。背はそんなに低くない筈だけれど」
 確かに琴乃は背は低くはない。女の子の標準、どう見てもそれよりやや下位だ。しかしそれは背だけではなかった。幼いと言われることは。
「それでもね」
「精神的にってこと?」
「うん。お母さんにも弟にも言われるの」
「あっ、琴乃ちゃんって弟いるのね」
「うん、そうなの」
 琴乃は自分の家族のことを明るい笑顔で彩夏に話した。
「実はね。そうなの」
「ふうん、弟さんいるのね」
「そう見える?」
「どっちかっていうとお兄さんね」
「うん、そう言われるの」
「何かね。言われてみればね」
 どうかとだ。彩夏も琴乃のその顔を見て言う。
「琴乃ちゃん童顔だし」
「やっぱり」
「それに何かね。全体的な印象でね」
「子供っぽい?」
「ええ、そんな感じがするわ」
 まさにだ。そうだというのだ。
「何処かね」
「そうよね。皆に言われるの」
「まあ気にしたら負けだよ」
 美優は琴乃が落ち込みかけたところでタイミングを見計らってこう言った。
「考えるのはここまでにしてね」
「それで?」
「そう、部室に入ろうな」
 微笑んで琴乃のその背中をぽん、と押してそのうえでの言葉だった。
 五人の前には扉があった。扉の横には軽音楽部と書いている看板があった。その看板を見て美優は言うのだった。
「皆で入るか」
「そうね。五人で仲良くね」
「そうするのね」
 美優の今の言葉には里香と景子が応えた。そうしてだ。
 気を取り直した琴乃が一歩、元気よく前に出てだ。こう言ったのだった。
「じゃあ行こうね」
「ああ、それじゃあな」
 美優が琴乃の言葉に頷きだ。そうしてだった。
 五人で部室に入り先輩も交えた挨拶をした。この日はこれで終わりでだ。五人はその後で駅前の八条バーガー、八条グループが経営している世界規模のhんバーガーショップに入ってだ。そこで話をするのだった。
 店は白くプラスチックとコンクリートの造りだ。その店の中でだ。
 琴乃はハンバーガーを食べながらだ。同席している四人にこう言ったである。
「先輩達って皆」
「ええ、そうね」
 景子が微笑んで琴乃の言葉に応える。彼女はチーズバーガーを食べている。
「悪い感じの人はいないわね」
「そうよね。特にね」
「悪い人っていうのはね」
 景子はチーズバーガーを右手に持ってそれを食べながら他のメンバーに話す。
「目に出るのよ」
「目に?」
「そう。ヤクザ屋さんとかはね」
「あっ、暴力団員ね」
「そう。そうした人の目はね」
 どうかとだ。景子は琴乃に
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