暁 〜小説投稿サイト〜
その答えを探すため(リリなの×デビサバ2)
第16話 初めての失敗と…
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
督を務めるサッカーチームの試合の日だった。
 いつもと同じように朝早くから起きて、河原のグラウンドに集まっていたなのは達だが、昨日の疲れがやはり残っているのか、2名ほど眠たそうに瞼をこすりながら試合を観戦していた。

「ねぇ、純吾君。本当に大丈夫?」

「ん〜。ジュンゴ、今日も……元、気」

 こっくりこっくり。
 船を漕ぎながら、すずかの心配そうな問に答える。それを聞いて、眉をひそめて目の前の試合から純吾の方へ眼を向けた。

 家を出る時から眠たそうにしていた純吾。
 すずかもリリムも昨日の事情を知っているため休むようにと言ってはみたのだが、「シローとモモコ。約束、した…」と一生懸命に眠気に抗いながら今日の約束を守ろうとしていた純吾を見て、何も言えなくなってしまったのである。

『ぐしぐしジュンゴいただきましたーー! こすり過ぎて若干涙目なのがかわいぃーーー!!』なんてどこぞの悪魔が満月でもないのに興奮して叫んでいた事は全くの余談である。

「ほらほら、すずかも純吾も! 眠たいって言うんならしっかり声出して応援しなさいよ! 何かに一生懸命になったら眠気も無くなってくるわよ」

 そうアリサが言って、すぐに目の前の試合に目を向け声援を送る。

 疲れているのは分かっているが、それなら何かをして気を紛らわせた方が眠気が覚めるし、約束したというのなら一生懸命になったほうがいいだろう。
 少し強引だが、それはアリサなりに気を使っての行動だ。

「…そうだね、うんっ! 純吾君も、せっかく起きてるなら目いっぱい応援しようよ!」

 そう言ってすずかも「頑張れー!」と声をあげる。
 純吾もなのはも結局はこれに従って、それぞれ目の前の試合に声援を送り始めるのだった。





「(あ、キーパーの人…)」

 すずかがそれに気がついたのは試合の後、翠屋で昼食をとり終わり、なのは、アリサと世間話をしている時だった。
 キーパーの少年がスポーツバッグから取り出した青く輝く石。よく見えなかったが、あれはユーノから聞いたジュエルシードと言うものではないだろうか?

「(え、えっと…なのはちゃんや純吾君は……)」

 慌てて友人二人の方へ向き直る。
 なのははぐでんと机に突っ伏して眠たそうにうとうととしている。アリサはと言うとなのはがかまってくれないことからユーノの頬を引っ張ったりしてキャイキャイとはしゃいで、すずかの様子にも、ましてやキーパーの少年にも気を向けていないようだ。

 そして純吾はというと、まだ残っている翠屋JFCのメンバーの元へ料理を運んでいる。
どうやら桃子との約束とはこの事らしく、試作をした料理を振る舞っているようだ。
 その際に、純吾と一緒に行動しているリリーへ少年たちが熱い視
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ