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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第七十二話 クワサン=オリビー
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女が姿を現わした。
「御前は」
「ロゼ」
少女は名乗った。
「バルマー帝国辺境方面軍第一艦隊副司令官にしてマーグ様の副官だ」
「ではマーグは」
「そうだ。バルマーの司令官であられる。爵位は騎爵であられる」
「兄さんが、そんな」
タケルはその言葉を信じることができなかった。
「バルマーの司令官だなんて」
「いや、だがこれは事実だ」
ケンジは狼狽する彼にそう言うことしかできなかった。
「隊長」
「あれはマーグの声なんだな」
「はい」
タケルはその問いに頷いた。
「そうか、では間違いないな」
「けれど何故」
タケルは暗い顔で呟いた。
「兄さんが。またバルマーに」
「おそらく洗脳されたのだろうな」
「洗脳!?」
イングラムの言葉に顔を向けた。
「そうだ。バルマーは洗脳技術にも長けている」
「じゃあそれで」
「おそらくな。君の兄さんはバルマーに洗脳されたのだ。そして指揮官になっている」
「そんな・・・・・・」
「だがそれは解くことができる」
「本当ですか!?」
「ああ、だから安心して欲しい。きっと君の兄さんは元に戻る」
「兄さん・・・・・・」
「シャピロ司令」
マーグはその間にもシャピロ達に対して声をかけていた。
「ここは下がるのだ。いいな」
「わかりました。それでは」
「ポセイダル軍も下がってくれ。御苦労だった」
「えっ」
ネイ達はその御苦労という言葉に反応した。
「司令、今何と」
「御苦労言ったのだが。それが何か」
「い、いえ」
まさか驚いたとは言えなかった。バルマーの司令官達はラオデキアを筆頭として不遜な態度を取る者が多い。その為彼等はマーグの優しい言葉に戸惑いを覚えたのである。
「下がってくれ。おして傷を癒すように」
「は、はい」
「わかりました、司令」
それを受けてネイもリョウレイも兵を退いた。そして戦場にはロンド=ベルとマーグの軍だけが残る形となった。
「さて」
マーグはその整った中性的な顔をロンド=ベルに向けた。
「はじめて、ロンド=ベルの諸君」
次に彼は挨拶をかけてきた。
「先にロゼの説明があった通り私はバルマー帝国辺境方面軍第一艦隊司令マーグ」
彼は名乗った。
「マーグ!」
「君達に話したいことがあってこちらにやって来た。いいかな」
「ヘン、聞くまでもねえだろうがな」
甲児が減らず口混じりに言った。
「話してみやがれ。聞いてやるぜ」
「司令に対して」
「待て」
マーグは前に出ようとするロゼを窘めた。
「わかった。では言おう」
マーグは話しはじめた。そしてロンド=ベルは動きを止めそれを聞きはじめるのであった。

第七十二話完

2006・2・6
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