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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
chapter 03 : fighting
#12 "are you serious?"
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限った事じゃない。ここにいる全ての人間に当てはまるんだ。
俺も、レヴィも、ダッチも、ベニーも、明日また会えるなんて保証はない。
今日お前が会ったローワンはどうだろう? 酔った客に撃ち殺されるかもな。
バラライカのような女なら無事だと思うか? 確かにアイツはマフィアの大幹部で、優秀な部下に囲まれてる。個人としても一流の戦闘者さ。この街で最も恐れられてる人間の一人 だろうな。間違いなく。

で?

だから?

バラライカは平々凡々と安穏とした日常を送ってると思うか。今日出くわしたような詰まらん仕事で、無為に過ごしてると思うか。
生命(いのち)の危険も何も感じる事なく毎日高いびきで寝てると思うか。
まあ、バラライカの場合は自分からこの街を戦場に変えかねんがな。
本当にそうなったらお前はどうする?
その時はこの街全てが巻き込まれる。"あの時"のようにな。傍観者でいる事なんて不可能さ。
"戦場"に観覧席なんて存在しない。お前が"本気"でこの街の住人になるつもりなら、そういう事も覚えておけ。
戦場じゃ生き残るのに必要なものは運だけだ。自分の運と相手の運。天秤の秤がほんの少し傾いた方が生き残る。そういうものだ。
そんな知識なんて必要ないと思うか?そうだったらいいな。せいぜい祈っておけ。お前の信じる何か、にな。そうするのはお前の自由だ。
何ならまたヨランダにでも泣きつけ。あんな処でも教会は教会だ。弱った人間がすがりつくには相応しい場所だろう。俺は今更あそこには戻りたくはないがね。

ん?

ああ、昔少し世話になった事があるのさ。当時は違う仕事にも就いてたな。神の愛ではなく人の愛を説く、そんな仕事だよ。
あの婆さんは当時から若い奴の面倒見は良かったんだよ。仕事柄ってのもあったんだろうけどな。
お前をあそこに連れて行ったのも、ヨランダなら上手くお前の話を引き出してくれるんじゃないかと思ってな。

ロック。

決断するなら今だぜ。言ったろう? "いつか"なんて日は永遠に来ない。
明日の朝日を無事拝めるなんて、無邪気な事を考えるな。気付いた時には脳天撃ち抜かれて、其処らの道端で転がってる。なんて笑うに笑えないぜ。
特にお前はな。
自分で気付いているかどうか知らんが、危なかっしいところがある。どこかギャンブル好きというかな。自分の命を賭け(ベット)するなんて一生に一度やりゃ充分だぜ。
命は大事にしろよ。お前に言われたくないって?俺とお前は違うんだよ。
いいか、これだけは忘れるな。
お前はどこまでいっても俺達とは違う人間なんだ。一線は踏み越えるな。
理解しろ。
把握しろ。
自重しろ。
躊躇しろ。
考えろ。本当に自分はここに居てもいいのか、と。
俺はお前を追い出す気はない。お前がこの街に残るというなら、お前
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