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木の葉芽吹きて大樹為す
双葉時代プロローグ
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のくせに人よりも人らしい振る舞いに、人間は苦笑すると、その両の腕を大きく広げた。

 吹き抜ける海風に身を浸す様に、心地良さそうに瞳を閉じて世界を迎え入れる。
 そうして、そっと口を開いた。

「一人では、多分無理だ。けどね、幸いな事にオレは一人じゃない。そうして支え、支えられ、オレは当初の目的通り、忍びの世界で最強と呼ばれる様にまでなった」

 ここからが、スタート地点なんだ。

 くるり、と踵を回して人間は獣へ背中を向ける。

「悠久に近い寿命を持つお前なら、この先オレがどのような道を辿るのか、文字通り長い目で見れるだろう? オレの辿り着いた先に平和がなされるのかどうか、見ていてくれないだろうか?」
『ふん……! そこまで言うのならば、お前の望む通り眺めていてやろうじゃないか。ちっぽけな人間の、その身に余る願いの果てに何が残るのかを』

 ――――唸る様な響きに、人間は小さく微笑んで感謝の言葉を述べた。

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