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我が剣は愛する者の為に
圧倒
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縁は誰よりも前に出て、軍を引っ張っていく。
兵士達も縁に続いて前方に展開している賊達に向かって走り出す。
両足を氣で強化して、敵の軍隊に突撃する。
勢いを緩める事無く、刀を振るい、前方にいる賊を次々と両断していく。
もちろん、両腕も強化済みだ。
賊達は凄まじい勢いで突撃していく縁を見て、取り囲むように中央部隊は陣形を変えていく。
それを待っていたのか、陣形が組み上がる頃には立ちどまる。

「単騎で敵陣のど真ん中に突撃するなんて、お前馬鹿だろ?」

賊の一人がニヤニヤと笑みを浮かべながら言う。
まだ言葉を続けようとしたが、縁はその賊に一瞬で距離を詰め、刀で顔に向かって横一線に振う。
顔面は見事に斬り裂かれ、絶命する。

「て、てめぇ!!」

その光景を見て、一斉に攻撃しようとするが彼からすれば、何から何まで遅い。
そもそも、撹乱が目的の縁にとってこの場に留まる理由は一切ない。
右手に溜めた氣弾を周りの賊達に向けて放つ。
それに怯んだ隙に、右に突撃する。
当然、周りを囲まれているのでどこに向かっても賊の壁が待っている。

(道がないのなら作ればいい。)

ここまで突撃したのと同じように、賊達を刀で斬り殺しながら、撹乱する。
常に動き、捉えきれない速度と斬撃で縦横無尽に走って行く。
賊達は縁に一太刀もいれる事ができない。
不規則に動き、一人一人確実に殺されていく状況に、賊達の間に混乱と動揺と恐怖が入り混じる。
さらに、縁が引きつれてきた先陣の部隊の攻撃も追加される。

「黎に近づく悪い害虫は、皆ぶち殺す!!」

味方の兵士も震えあがるほどの殺気を発しながら、優華は双戟で斬り込んでいく。
二人の活躍を見た兵士達の士気も上がっていく。

「このお二人が居れば、賊なんぞ恐れる必要などない!!」

「我らの街を侵略しようとする獣共だ!
 容赦するな!!」

夏候淵達の訓練もあってか、賊達を圧倒していく。
そこに追い打ちがかかる。
左翼と右翼の部隊が、両サイドから敵の軍隊を襲う。

「縁殿が撹乱してくれている!
 この機を逃すな!!」

「一気に畳み掛けて、全滅させるわよ!!」

星の神速の槍が賊を貫き、月火の防御も粉砕する双鞭が賊を粉砕する。
隊を率いる隊長がどれも桁違いに強く、賊達は一気に窮地に立たされる。
それもそうだ。
後の世界に名を轟かせる武将達が率いているのだ。
ただの賊に負ける道理はない。




一方、中央の部隊は。

「はぁぁ!
 戦の殺気が混じった空気!
 血の匂い!
 堪らなくて濡れちゃいそう!!」

今までにないくらい興奮し、息を荒くしている胡蝶を見て、豪鬼は軽く息を吐く。
本当にこの虎の制御できるのか、少し不安になって
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