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我が剣は愛する者の為に
圧倒
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いるようだ。

(だが、戦況を見た限り敵は風前の灯になるのも時間の問題。
 ここで儂らの部隊で先方の部隊を後押しすれば、一気に勝負が決まるか。)

今まで培った経験と知識を用いて、今の戦況を冷静に判断する。
このまま後ろから援護する、というのを決定して隣にいる胡蝶に伝えようとする。

「胡蝶、儂らも部隊を――――――」

と、言葉を続けようとしたが隣には胡蝶の姿がない。
重たいため息を吐いて、近くにいる兵士に確認する。

「胡蝶は?」

「司馬懿様は部隊を引き連れて、先方の部隊の援護に。」

「やはりか。」

耐えるに耐えきれなかったので、独自の判断で行動したのだろう。
しかし、豪鬼はこう考えていた。

(なんだかんだ言いつつも、援護に向かう瞬間を見極めている。
 独自に動いたのも、流れを読み取ったのだろう。
 縁殿が言うとおり、胡蝶は底の知れないモノを持っているな。)

それでも一声くらいかけて欲しかったと、思いながら斧を肩で背負う。

「儂らの部隊も先方で踏ん張っている部隊の援護に向かう!!」




その頃、一足先に援護に向かった胡蝶は。

「さぁさぁ!!
 私ももっと熱く滾らせて!!」

鉄扇を氣で強化して、舞を踊るかのように賊達を確実に仕留めていく。
鉄で出来ている扇にさらに氣で強化された威力は、人間の頭蓋骨など一撃で破壊される。
さらに強化した糸を生きている賊の首に引っ掛け、もう片方にも同じように別の賊の首に引っ掛ける。
その糸を引っ張り、無人になっている馬に引っ掛ける。
糸が括られている事など知らない二人の賊は訳が分からないまま、締め上げる糸を少しでも緩めようとする。
馬の尻を蹴り、驚かせる事で馬を走らせる。
首が閉まったまま、さらに馬に引っ張られる。
この後の二人がどうなったかは言うまでもない。
糸同士を氣でくっ付けて、鞭のように扱い、賊を倒していく。

「あははははは!!!
 楽しい、戦いはこうでなくちゃねぇ!!」

「ったく、大いにはしゃいでいるな。」

斧を横に振り回し、巻き込まれた賊の身体を切断する。
一振りで最大五人は殺され、豪鬼の風貌と返り血と相まってか、それは人を殺す鬼に見える。
胡蝶とは少し離れた場所にいるが、それでも胡蝶の声は聞こえた。
主に縁達の活躍もあってか、早くも賊達は敗走していく。
それを予想していたのか、後方部隊がそこに先回りする。

「さすがは黎だ。
 こうなる事を読んでいたな。」



豪鬼達が援護に向かう少し前の事。
黎は兵士達から戦況の情報を逐一報告してもらって、先の展開を読む。
相手は賊だ。
優秀な軍師が居れば深く考える必要があるが、この勢いと縁達の活躍のおかげでどんな行動
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