第二十三話 ギガノスの汚物
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「そろそろ行かせてもいい頃だと思うが」
「それですが」
それに注進する者がいた。
「実はマーグは今もうここにはおりません」
「何っ!?」
玉座の男はそれを聞いて声をあげた。
「それはまことか」
「はい」
下にいる者はそれに答えた。
「どうやら既に地球に向かっているようです」
「何故だ」
「もしかするとマーズのことを知ってではないでしょうか」
「マーズのか」
「はい」
下の男はまた答えた。
「もしそうだとすれば厄介なことになりますが」
「そうだな」
玉座の男はそれを聞いて頷いた。
「だとすればすぐにでも動こう」
「それでは」
「あの者を呼べ」
「はい」
彼はそれを受けてすぐに動いた。そして一人の少女が呼ばれてきた。
「御呼びでしょうか」
「うむ」
玉座の男はそれに頷いた。
「実はそなたにすぐに地球に行ってもらいたいのだ」
「地球にですか」
「そうだ。実はマーグがそちらに向かったらしい」
「マーグが」
少女はそれを聞いて考える声を出した。
「だとしたら厄介なことになりますね」
「そなたにもわかるな」
「はい」
少女は応えた。
「それではすぐにでも」
「うむ、頼むぞ」
「ハッ」
こうして少女は姿を消した。後には気配もなかった。
「これでよし」
「あの娘もよく働きますな」
さっきの下の男がそう言った。
「あの者にも守らなければならないものがあるからな」
玉座の男はそれに対してそう返した。
「守らなければならないものですか」
「そうだ。母星だ。思えば我等の掌中にある星は実に多いな」
「はい」
「その中の一つに過ぎんが。役に立ってくれるわ」
「そうですね。それでは地球はこれで」
「後はマーグとあの娘により全てが終わる。全てがな」
話は終わった。彼等はそのまま闇の中に消えていった。そして後には何も残ってはいなかった。
第二十三話 完
2005・5・24
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