第二十三話 ギガノスの汚物
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だが彼は弟子を制止した。
「今御前にはやらなくてはならぬことがあるではないか」
「しかし」
「それともわしが遅れをとるとでも思うのか」
「いえ」
「使徒を素手でぶっ潰すような人に限ってそれはないわよね」
「アスカ、何か最近すれてきとらへんか?」
十三がそう突っ込みを入れる。
「たまには息抜きも大事やぞ」
「何かトウジじゃなくて十三さんでも似たようなものね」
「そら御前関西弁やからやろが」
「何か隼人さんやサコンさんと話してるような気にもなるけれど」
「それは言わん約束になっとるで」
「はいはい、じゃあそうしとくわ。じゃあ帰りましょ」
「烏もないとるしな」
「・・・・・・何か言っていることが古くない?」
「気にすんなや」
アスカと十三がそんなやりとりを続けていた。そしてその間にもドモンとマスターアジアは話を続けていた。だがそれもやがて終わりに近付いていた。
「それではドモンよ」
「はい」
「機会があれば、いや必ずまた会おう」
「はい」
マスターアジアは風雲再起を呼んだ。そしてそれに乗った。
「それではな」
そして彼は大空に消えていった。後に馬のいななきだけを残して。
「行ったか」
ロンド=ベルの面々はそれを見送って呟いた。
「相変わらずとんでもねえ爺さんだな」
甲児が半ば呆れたように言った。
「あれだけ派手にやってくっるとな。こっちまで気持ちよくなってくらあ」
「甲児君らしいわね」
さやかがそれを聞いて笑う。
「意外と合うんじゃないかしら」
「確かに嫌いじゃねえな」
甲児はそう返した。
「あんな人は見ていて気持ちがいいぜ」
「じゃあ甲児も弟子入りしてみたら?もっと強くなるわよ」
「いいかもな」
マリアの言葉に同意する。
「いっちょやってみるか」
「おいおい甲児君」
そんな彼を大介が止めた。
「それはせめてこの戦いが終わってからにしてくれよ」
「あ、そうだった」
「全く甲児君の無鉄砲さにも困ったものだな」
鉄也も少し苦笑して言う。
「確かにあの力は凄いがな」
「そうですね」
洸が頷く。
「けれどあの人がもし敵になったとしたら」
「俺達でも相手になるかどうかわからんな」
「ああ」
神宮寺の言葉に賛成した。
「おい、馬鹿なことを言うな」
ドモンがそれに反論した。
「そんな筈がないだろうが。師匠が」
「まあな」
一応はそれに同意する。
「だがあの力・・・・・・。恐るべきものには変わりない」
ブライトが最後にそう呟いた。皆今はマスターアジアの去った方を見送るだけであった。そして重慶に向かうのであった。ウォンに相変わらずの疑念を覚えながら。
「さて、マーグだが」
またあの声が聞こえてきた。やはりあの部屋にいる
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