第五話 レベル確定と厄介事
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「すぐ出発するぜよ」
「はい」
すぐに車に乗せられ車が走り出す。向かっている先は、恐らくアレイスターの居る窓のないビルだろう。
「お前さんのおかげで最近忙しいんだにゃー」
「あー、すみません」
「まぁ、お前さんが悪いわけじゃないからそれはいいんだが……」
そこで言葉を切った土御門さんの雰囲気が急に変わる。
「お前さん、一体何者だ?」
「へっ?」
「中学からこの学園都市に来る人間も確かに少なくはないんだが、それでも普通はあと三週間後ぐらいに学園都市へやってきて、それから能力開発を受けて能力レベルに応じて学校が割り振られるんだ。それなのにお前さんは小学校の卒業式も終わってないはずの、この時期に学園都市にやってきて能力開発を受けている。まーそれ以前に、お前さんの戸籍まで準備させられたから、お前さんには元々の戸籍がなかったことになる。一応、上からはチャイルドエラー扱いでの指示を受けたんだが、その年齢で学園都市に捨てられたってのにも無理があるんでな」
確かにそうだよなーと思いつつ土御門さんの話を聞いていた。土御門さんが信頼できるかどうかは微妙だが、アレイスターに話したことぐらいなら言っておいてもいいのかもしれない。だが、運転手が居るこの状況で話しても大丈夫だろうかという疑問が頭に浮かぶ。
「そうですねー、俺は別の世界からやって来たんですー」
「ぷっ」
わざと軽めに言ったこともあり、運転手は冗談だと思ったようだ。
「それなら、以前はどんな世界に居たのかにゃー?」
口調は軽くなっているが、土御門さんの雰囲気は変わらないままだった。恐らく、俺の言葉があながち嘘ではないと感じているのだろう。
「えーっと、まぁ、普通に剣と魔法の世界に居ましたよー」
「あはは」
俺が答えると運転手の人は笑ってくれた。まぁ、普通に考えれば実際に剣と魔法の世界に居た人間が、自分のことを「剣と魔法の世界から来ました」とは言わないだろう。
「その世界ではどんなことをしてたんだにゃー?」
「まー色々とやりましたけどねー。鯵や鯖釣ったり、茄子や胡瓜育てたり、麦藁帽子を編んで町で行商したり、罠を張って猪を捕まえたり、狸を鉄砲で撃ったり、煮たり、焼いたり、食ったり、それを木の葉でちょっと隠したり」
「いやっ、剣と魔法関係ないしっ! 最後のほう、なんか別のことになってるし!!」
俺が適当に答えていると運転手からツッコミが入った。それで土御門さんも運転手に聞かせるにはまずい話なんだろうと気が付いたのか、この件についてそれ以上詮索してくることはなかった。
このままアレイスターの元へと向かうのであれば、用件は俺の能力に関することしか考えられない。うまく誤魔化すことを考
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