暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルってなんですか?
本編前
第一話
[3/8]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
的な身分に収まっていましたとさ。彼らの母親からみれば、よくできた子供であり、自分の子供の面倒を見てくれる出来た―――出来すぎた子供であり、僕が年長組みになるころには、僕にすべて任せておけば大丈夫という空気が生まれていたのは勘弁して欲しかった。買い物に子供が邪魔だからと言って僕に預けてくるのだから。むろん、下心は当然のように隠してはいたが、片方の手にマイバッグを持っていれば、今から買い物だということぐらいはすぐに分かる。

 過ぎたことを言っても仕方ない。そんな保育園時代をすごした僕だが、転機はどこの小学校に行くかという選択肢が生まれたときだろう。僕の経験からいえば、当然のように公立の小学校に行くのが普通だったのだが、どうやら生まれ変わった地区では、私立の小学校というものがあり、公立か、私立かの二択があるらしい。しかも、その小学校は大学付属で上手くいけば、大学までエスカレーター式でいけるらしい。

 小学校時代から青田買いとは、少子化もここに極まれりだと思った。

 僕としては、公立でも十分だったのだが、どうやら両親としては私立に行って欲しいようだった。親に庇護されている身としては、親の要望に従うほかない。無論、小学校の入学テストなどお手の物。考えなくてもすぐに解ける。一時間程度の時間が与えられたが、十分程度で終えてしまった。
 だが、僕が考えなしに試験問題を解いてしまったのはやや問題があったようだ。記述式の回答さえ求められる問題で中学生レベルの漢字を使ってしまったのも過ちの一つである。気づけば入学料、授業料免除の特Aランクの特待生になっていた。これには両親も驚いた表情をしていたが、まあ、喜んでいたので問題はないだろう。

 そんなこんなで、聖祥大学付属小学校に入学した僕だ。前の保育園からは仲間の半分程度が聖祥大学付属小学校に入学している。その中で僕と同じクラスなのは、目の前で緊張した面持ちをしながらも楽しそうに昨日の戦隊物について話している彼と他二名の女の子である。ちなみにその女の子たちは、初めて身を包んだ真っ白な制服についてワイワイ、キャーキャー言っており、男の出る幕ではないようだ。

 やがて、僕らは教師から呼び出され、名前の順番に廊下に並ばせられた。

 さて、今から退屈な入学式だ。



 ◇  ◇  ◇



 新入生の名前が呼ばれ、校長の短い話があり、校歌を歌う、という実に簡素な入学式を終えた後、僕たちは教室に戻ってあいうえお順に自分の名前が書かれた机に座っていた。このクラスの構成人数は三十人。合計クラスが五クラスあることから考えても百五十人前後が今年の新入生ということだ。

 今からは、自己紹介タイムである。中、高校生になれば、クラス替えのときに必ずあるあれである。ここで目立つか目立たないかで今後の
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ